京子「私達、付き合い長いのになぁ」

結衣「あかりには色々わからせないといけないな」


そんな安っぽい展開

ちょっと詳しく聞こうか

結京あかはよ

京子「えへへっ、修学旅行のお土産もたくさん買ったし！」ｶﾞｻｯ

結衣「あかりとちなつちゃん、きっと喜んでくれるよね」

京子「うんうん、……私としては木刀とペナントにしたかったけど」

結衣「……その二つって定番だけどさ、京子はそれ貰って嬉しいの？」

京子「ぜんぜん」

結衣「……おいコラ、だから八つ橋とか可愛いアクセサリーでいいんだよ」

京子「だねー、結衣の言うとおりだったよ」ﾆｺﾆｺ

結衣「えっと、ちなつちゃんのお家ってここらへんかな？」

京子「……あ、ここじゃないかな、表札に吉川って書いてあるし」

京子「いや～、サプライズだから喜ぶよね絶対」

結衣「久々だからって飛び掛かっちゃダメだよ、親の人もいるだろうし」

京子「……あら、妬いてるの？」

結衣「ないない、なんで私が二人に嫉妬しないといけないんだ？」

京子「くふふ、素直じゃないんだから～」

結衣「……うっさいなぁ、こんにちはー」ｶﾞﾗｯ


ちなつ「……はっ……あむっ……」ﾁｭｯ

あかり「んー、んー！！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ


ミーンミンミンミーン（迫真）

あかり「――っ！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

ちなつ「……」ｷﾞｭｯ

あかり「……」ﾋﾟｸﾋﾟｸ

ちなつ「……んっ……ぷはっ」

結京「……」

ちなつ「……えっ？」


結衣「いや、私たちはなにも見てないよちなつちゃん」

京子「うん、最近暑いからきっと変な幻でも見たんだよ」

結京「……ご、ごゆっくり」ｶﾞﾗｯ

ちなつ「ええええええええええええええ！？」

京子「……してたのかな？」

結衣「……どうだろう、ちょうど下駄箱に隠れて見えなかった」

京子「……」ｼﾞﾜｯ

結衣「だ、大丈夫だよ、まだ二人がキスしてたって決まったワケじゃないし」

京子「……うんっ、うん」

結衣「このハンカチ使って、手で拭くと後になっちゃうから」ｽｯ

京子「えへへっ、まぁちなっちゃんが取られても結衣がいるし」

結衣「私はキープみたいなもんかよ、……声も震えてるよ」

京子「うん……まさかあかりとしてるなんてな」

京子「……うっ、う」ｸﾞｽｯ

結衣「……京子、やっぱりほんとにちなつちゃんのこと好きだったの？」

京子「わっ、へ、うぁ、ひ……」

結衣「うわっ、ゴメンな急に話しかけちゃって……話すのは落ち着いてからでいいから、ね」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

京子「……ん、うんっ」

結衣「大丈夫だよ、まだ決まったワケじゃないんだ
　　　　……ちなつちゃんが転んだだけかもしれないし」

京子「……よく分からない、ちなつちゃんのことが好きなのかどうかは」

結衣「でも泣いちゃうくらいショックだったんでしょ？」

京子「……」

京子「……な、なんかね、わたし怖いんだ」ｸﾞｽｯ

結衣「……うん」

京子「ちなつちゃんとあかりが、そういう恋人の関係だったとしてっ……」

京子「……」ｷﾞｭｯ

結衣「自分のペースでいいよ、ゆっくり、落ち着いて話してね」

京子「……ご、ごらく部がっ、バラバラになっちゃうんじゃないかって」ｸﾞｽｯ

京子「い、ままで、みたいにっ、仲良しじゃ、なくなったらどうしよう……うっ、ぅぅ……」

結衣「……それが怖かったんだね、京子は」ｷﾞｭｯ

京子「うんっ、うん……」

結衣「……京子はあの二人こと信じられない？」

京子「……ううん、そういうワケじゃないよ」

結衣「それならここにあかりを呼んで、真相を確かめようか」

京子「えっ、えぇ！？」

結衣「だってそうでしょ？……このままじゃらちが明かないし」

京子「それはそうだけど……」

結衣「私としては、いつまでも京子がウジウジしてるの見たくないし」

結衣「……きっと大丈夫だよ、私たちがあの子たちを信じてあげないと始まらないだろ？」

京子「……うん」

～ちなつちゃん家～

あかり「……はっ！」

あかり「た、確かあかりは、野獣みたいなちなつちゃんに襲われて」

あかり「……うぅぅ、なにか大切なもの失った気がするよぉ」ｼｸｼｸ

あかり「ちなつちゃーん、どこに行っちゃったの？」

あかり「うーん、押入れにもいないし、かくれんぼは苦手だよぉ……」

ちなつ「……」ｶﾞﾗｯ

あかり「あ、ちなつちゃん！も～探したんだからね」

ちなつ「……うん、ゴメンね」

あかり（ちなつちゃん、目元まで顔が真っ赤だよぉ）

ちなつ「……」

あかり「ちなつちゃん、なにか辛いことでもあったの……？」

ちなつ「……えっ？」

あかり「目元も真っ赤で、言いづらいけどきっと泣いてたのかなぁ……と思って」

ちなつ「……ううん、そんなことないよ」ﾆｺｯ

あかり「ダメだよぉ、あかりにはごまかしは効かないもんっ！」

ちなつ「……あかりちゃん、今までのことなにも覚えてないの？」

ちなつ「私があかりちゃんにした、最低なこと、人としてやってはいけないことを」

あかり「えっ？」

あかり「えっと……実はよく覚えてなくて、あはは」

ちなつ「……」

ちなつ「私ね、もうあかりちゃんとはお友達でいられないと思う……」ｼﾞﾜｯ

あかり「ちなつちゃん……？」

ちなつ「そっ、それくらいっ、わたしは、ひどいことを……うっ、ぁぁぁぁぁ……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

あかり「……」ﾍﾟﾁﾝ

ちなつ「あいたっ！？」

あかり「あかりがちなつちゃんを嫌いになるなんて、そんなの有り得ないもん……」ｷﾞｭｯ

ちなつ「でっ、でも……！」

あかり「……ふふ、ぜーんぶ思い出しちゃった」

ちなつ「……」ｸﾞｽｯ

あかり「キスくらいどうってことないよぉ、……ちょっとビックリしただけだもん」

ちなつ「……で、でもっ、わたしあかりちゃんにっ」

あかり「二人だけの秘密だから、それでいいよね？」ﾆｺｯ

ちなつ「……」ﾌﾙﾌﾙ

あかり「あれっ、今のセリフ決まったと思ったんだけど……」

ちなつ「実は、キスしたところ結衣先輩と京子先輩に見られちゃって」ｼﾞﾜｯ

ちなつ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁああああぁん……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

あかり「……あらら」

ちなつ「ぁぁぁぁぁぁぁ……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

あかり「ちなつちゃん泣かないでよぉ、あかりがなんとかするから、……ね？」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ちなつ「うっ、うっ、うぅぅぅ……」

あかり「とは言ったものの、ややこしくなっちゃうのかな～」

ちなつ「……」ｷﾞｭｯ

あかり（ちなつちゃんがこんなに弱ってるなんて、……どうにかしてあげたいよ）

あかり（やっぱりあかりが説明に行くしかないかな、うん！）

あかり「ちなつちゃん、ちょっとひとっ走り行ってくるからね」ﾆｺｯ

ちなつ「……？」

ちなつ「……ど、どこへ行くつもり？」

あかり「今から二人のところに行って、誤解を解いてくるから」

ちなつ「でも誤解もなにも、あれは実際――」

あかり「ちなつちゃんはなにも心配しなくていいからね、安心して」ﾆｺｯ

ちなつ「……わっわたしも、行くひょ」

あかり「……」ﾌﾙﾌﾙ

あかり「ふふ、声も裏返ってるし無理しちゃダメだよぉ」

ちなつ「……うぅ」

あかり「今はしっかり休んで、気持ちを落ち着かせてね」

ちなつ「……」ｺｸｯ

あかりちゃんイケメン

だが無事に帰ってこれるか

～結衣ちゃん家～

結衣「……うん、暑いから気を付けてね、またね」

結衣「……」ﾋﾟｯ

結衣「京子、あかりもいまからここに向かってるってさ」

京子「……はぁ、胃が痛くなってきた」

結衣「心配しすぎだって、ごらく部はそれくらいじゃ潰れないよ」

結衣「だからいつもみたいに笑ってればいいの、分かった？」

京子「……えへっ」

結衣「うんうん、それでよし」

ピンポーン！

結京「……」ｺﾞｸｯ

あかり「こんにちはーっ、……結衣ちゃんお邪魔します」ﾍﾟｺｯ

結衣「ううん、ゴメンね暑い中、クーラーはガンガンに入ってるから」

あかり「ぶっひぇ～、火照った体に染みるよぉ……」

京子「おっ、おっさ、おっさんかぁ！」

あかり「ふふ、いつもに比べて歯切れが無いね京子ちゃん」

京子「な、なに言ってやがるんだべらぼうめっ！」

あかり「あかりも江戸っ子だよぉ、なーんちゃって」ﾆｺｯ

結衣「……ふふ、なに漫才やってるの二人とも」

結衣（でも動揺してるなぁ京子、ほんとに大丈夫かな……）

あかり「結衣ちゃん、京子ちゃん……」

結衣「大丈夫だよ、何があっても私たちは変わらない」

京子「そだっ、そうだぞっ！」ｶﾀｶﾀ

結衣「落ち着こう京子、はい深呼吸して……」

京子「んっ……すぅ、はぁ……」

あかり「……じ、実はね、ちなつちゃんとキスしちゃって」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

京子「……はぁ」

結衣「……そっか」

あかり「……うぅぅ、やっぱりそんな反応になっちゃうよねぇ」ｸﾞｽｯ

あかり「……」

結衣「それはやっぱり、お互い合意の上でしたのかな？」

あかり「……えっと、その」

京子「……ちなつちゃんは乗り気だったの？」

あかり「うぅぅぅぅぅ、あかりも頭の中パニックになりそうだよぉ……」

あかり「……」ﾋﾟｺｰﾝ

あかり「……ゆ、結衣ちゃん京子ちゃん知らないの？」

結京「えっ？」

あかり「友達どうしでキスするなんて最近じゃ当たり前なんだよぉ」ﾆｺｯ

結京「……えっ？」

結京「……」ｼﾞﾄｯ

あかり「……す、すひ～♪」

結衣「あかり、口笛吹けてないよ……」

京子「あかり……」

あかり「や、やっぱりウソじゃ絶対ばれるよね――」

結衣「さ、最近の子ってけっこう過激なんだね」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

京子「そうだねっ、わたっ、私も初耳だよ！」

あかり「……あはは、二人とも信じちゃった」

ほほう

結衣「が、外国の人もあいさつ代わりにキスするらしいもんね……」

京子「……だ、だね～」

結京「……ひぇ～」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

あかり「そういうことなんだよぉ、信じてもらえたかな？」ﾆｺｯ

結衣「うん、二人とも仲が良いってことが分かって嬉しいよ」

京子「えへへっ、なんかどっと肩の荷が下りましたなぁ」

あかり「……ふふ、これでちなつちゃんも喜んでくれるかな」

結衣「……で、でもそれだと私たちは仲良しじゃないってことだよね」

京子「確かに……」ｼﾞﾜｯ

あかり「えっ……？」

あかり「か、風向きがおかしくなってきたような……」

結衣「あかり、もう一回聞いていいかな」

あかり「……」ｺﾞｸｯ

結衣「仲のいいお友達は、舌を絡ませるようなキスをしてやっと仲良しってこと？」

京子「……あかり、本当なの？」

あかり「あ、あれ、なんかキスの前に聞き慣れない言葉が……」

結京「……」ｼﾞｰ

あかり「……」ｺｸﾝ

あかり（今さらウソでしたなんて言えないよぉ……）ｸﾞｽｯ

>>63訂正
結衣「き、キスって映画とかでよく見るあのことだよね？」

京子「うん……」ｶｧｰ

あかり「そ、それじゃー誤解も解けたみたいだし、あかりはこれで……」

京子「ちょっと待った！！」

あかり「……」ﾋﾞｸｯ

結衣「あかり、私たちって子供のころからずーっと仲良しだったよね？」

あかり「……」ｺｸｺｸ

京子「で、でもキスとかしたことないよね……」

あかり「……」

結京「キスしたことないってことは、仲良しじゃないんじゃないの……？」

あかり「ち、違うよぉ、あかりと二人は絶対仲良しだもんっ！」

京子「でもさっきと言ってること矛盾しちゃうよ……」

結衣「……うん」

あかり「……」ｼﾞﾜｯ

あかり「絶対に絶対仲良しなの！！１００パーセントそうだもん！！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

結衣「……子供みたいにダダこねてもなぁ」

京子「あ、あのさ、二人とも、一つ解決策が思いついたんだけど」

結あか「……？」


京子「いまここでキスすればいいんじゃない？」

はい

かんたんなことだよNe-

あかり「えっ、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええ！？」

結衣「まぁ、そうなるかな……」

京子「えへへ、でしょでしょ～♪」

あかり「だ、だってキスってあのキスだよ！？」

結衣「……うん、ちなつちゃんとしてたそのキスだよ」

あかり「あっ、ぅぅぅぅ……」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

京子「それとも私たちのこと嫌いなのかな、……ならしょうがないけど」

あかり「……そ、そんなことないよぉ！！」

結京「ならキスしようね、あかり」ｷﾞｭｯ

あかり「……ひぇぇぇぇぇぇ」

結衣「私は最初見物させてもらうね、キスとかよく分からないし」

あかり「……」ﾁﾗｯ

結衣「がんばれー、仲良しってことを証明しようね」ﾆｺｯ

あかり「……別にね、二人とキスするのは嫌なんかじゃないよぉ」

京子「えへへ……あかりも大きくなったなー」ｷﾞｭｯ

あかり「……うん、いつまでも子供じゃないから」

京子「そんなことないよ、一つ下なんだから子供みたいに甘えていいんだからね？」

あかり「あっ……ぇへへ、京子ちゃん……」

京子「……」ﾁｭｯ

あかり「んっ……」

あかり（嫌じゃないけど、やっぱり女の子どうしなんておかしいんじゃ……）

結衣「……ふふ、良かったね二人とも」

京子「こ、これで、仲良しだよねっ！？」ｷﾞｭｯ

あかり「なかよひだよぉ、あかりと京子ちゃん、なかよひ……」

結衣「今日はこの辺でお開きにしようか、あかりもいっぱいいっぱいだし」

あかり「……するもんっ、結衣ちゃんとも」ｷﾞｭｯ

結衣「……無理しちゃダメだからね、約束だよ？」

あかり「……結衣ちゃん、顔赤い……胸もどきどきって」

結衣「……」ﾁｭｯ

あかり「んっん……っ……」

あかり（あかりは女の子で、ごらく部のみんなも可愛い女の子……、おかしいんじゃ……）

あかり「あっ、はぁ……はっ……」

結衣「これで私とあかりは仲良しさん、かな？」

京子「私とあかりも仲のいいお友達、だね」ﾆｺｯ

あかり「うんっ、そうだよっ、ぇへへ……」

結衣「良かった良かった、これで一件落着かな――」

京子「……♪」ﾁｭｯ

結衣「んっ！！……ん、あむっ……はぁ……」ｷﾞｭｯ

京子「ちゅっ、ちゅ……ん……」


あかり「……おかしい？女の子どうしでキスして、おかしい？」

結衣「……バカ、いきなりすぎるんだよ京子は」ｷﾞｭｯ

京子「えへへ、だって結衣とも早くしたかったんだもん……」

結衣「……これで、みんな仲良しだね」

京子「……うん、みんな大好き」ｷﾞｭｯ


あかり「ぬるいよぉ、そんなキスじゃ幼なじみではないよぉ」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

あかり「友達ならそれでいいけど、幼なじみはもっと濃厚なキスじゃないと」ﾆｺｯ

結京「えっ？」

あかり「あかりがお手本見せてあげる、こっちおいで～」

京子「どうしたんだろうあかりってば……」

あかりが燃えている

あかり「京子ちゃん、舌をベーって出してくれるかな？」

京子「ほっ、ほうはな……」ﾍﾞｯ

あかり「……♪」ﾁｭｰ

京子「ふぁっ、あはっ、り……したっ、んん……！」

あかり「ちゅっ、ん……はむっ……」

京子「んん……！！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

あかり「暴れないの、最初にしつこく迫ったのはそっちなんだから」ﾁｭｯ

京子「んっ、んー！！……はっ、ひ……」


結衣「あ、あかり、どうしちゃったの……」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

あかり「……ふふ、可愛かったよぉ京子ちゃん」ｷﾞｭｯ

京子「はぁっ、あぁぁ……ひっ……」

結衣「きょ、京子……！？」

あかり「でもでも、あかりはまだキスし足りないかなぁ、ぇへへ」

結衣「こっ、腰ぬけて、動けない、たすけっ……」

あかり「どこかにいないかなぁ、ふふ」ｷﾞｭｯ

結衣「あっ、あぁ……」

あかり「黒髪がとーっても素敵で、しっかり者で、クールなのに寂しがり屋な可愛い幼なじみさんが……」ﾁｭｯ

結衣「んっ、ん……！！！」