2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 21:55:30.62 ID:4LM+oQmU0
12代オーラント王の治世
ソウルの業により栄えた、北の大国ボーレタリアは突如として
尋常ならぬ色のない濃霧に飲まれた
今やボーレタリアの以前の姿は無く、その濃霧に踏み込んで戻るものは、誰もいなかった
ただ、オーラント王の双剣の一人、ヴァラルファクス。
彼は裂け目から濃霧を逃れ、ボーレタリアの滅亡を伝えた
老王オーラントは楔の深淵に眠る巨大な獣を呼び起こし、色の無い濃霧と凶悪なデーモンが生じた
正気を失いソウルを求める人々を襲う亡者、霧は蔓延り何もかもを奪い去った
混沌と化した世界の中、人々は緩やかな滅びの予感に絶望していた
そして、最後の希望が、裂け目からボーレタリアに入った
引用元:http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1342011235/
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 21:57:24.91 ID:4LM+oQmU0
Souls of the mind key to life's Ether...
Souls of the lost withdrawn from its vessel...
Let the strength to be granted, so the world might be mended...
so the world might be mended...
セイバー「―――っは、ぁ……」
かぼたん「気が付きましたか?ここは北の神殿、今はボーレタリアと呼ばれる北の地です」
セイバー「っ……?」
かぼたん「ソウルに導かれし者よ。ここを出ることは出来ません…」
「ただ、今は5つの要石が要の片割れに導くのみです」
セイバー「…問おう、貴方が私のマスターか?」
かぼたん「マスター…?いいえ、決してそのような者ではありません」
セイバー「どういうことだ…これは、聖杯戦争ではないのですか?」
かぼたん「…?」
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 22:00:02.48 ID:4LM+oQmU0
かぼたん「聖杯戦争…聞いたこともない言葉です。ただ、貴方は特殊な存在のようです」
かぼたん「死してこの神殿に囚われる筈が、貴方の場合は生きています」
「その身形、沸き立つ魔力を感じます…そしてその様子だと、もしかしたら貴方は別の時空から召喚したのかも知れません」
セイバー「私は……だが貴方は私のマスターのはずだ。私を召喚をした、それが何よりの証拠になります」
かぼたん「貴方を召喚しましたが、心当たりがありません…意図的に貴方を召喚した訳ではないのです」
「今、貴方が出来る事は5つの要石に居るデーモンの長を倒さねばなりません」
セイバー「しかし…(そんなことがあり得るのか?では、私のマスターは…)」
青ニート「へぇ、また一人、裂け目に入ったのか」
セイバー「!」
青ニート「デモンズソウルを求めたか…それとも、この国を救おうとしたか」
セイバー「でもんずそうる?それに国の救済だと?」
青ニート「はっ、そんなことも分かってなかったのか。まぁいい…どのみち無駄だろうしな…」
青ニート「この先にお前が目指すデーモンがある。たぁんと待ち構えてる。さぁ行けよ、そのためにきたんだろ?」
セイバー「違う、話を聞いてもらいたい。私は聖杯戦争に――」
青ニート「あぁ皆まで言わずとも分かってるよ。だが、ハハハハハ…いずれ絶望するさ。この、俺のようにな…ハハハハハ」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 22:03:16.55 ID:4LM+oQmU0
セイバー「……」
セイバー「(先ほど私を召喚したあの女性。魔力は感じ取れなかった…それにサーヴァントを使役させる令呪も見当たらない)」
「(我が剣の力もその為か嘗ての力は無い。大幅に弱体化したと言う事か)」
セイバー「…行くしか、ないのか」
青ニート「ハハハハハハハハ」
心の折れた戦士が指差した壁。一見、何の変哲も無い壁にセイバーが手を翳したその瞬間
緑色の粒子が溢れ、セイバーの体を分解するように包み込みやがて壁の中へと消えて行った
――――――
―――
―
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 22:06:10.73 ID:4LM+oQmU0
――――ボーレタリア王城
セイバー「……ここは一体…」
そこは中世を思い出す頑丈な作りの城の前だった。
地面に足が付いて辺りを見渡すと、前方から深紅の色をしたドラゴンが姿を現した
まさに一瞬の出来事だった。セイバーの眼前に広がった奴隷兵達を口に咥えこむと、何事も無かったかのように翼を広げて飛び去った
セイバー「禍々しい化け物だ。何れ、あのような怪物とも退治する羽目になるだろうが」
セイバー「剣がこの様子では…少し心許ないか」
セイバー「とにかく進んでみましょうか、でなくては何も始まりませんし」
剣が刺さった要の石から離れて聳え立つ巨大な門へと向かう
先ほどのドラゴンが喰い損ねたのか、数体の奴隷兵士が姿を現した
セイバー「邪魔だッ――!」
一薙ぎ。その一撃で数体の奴隷兵は地に伏せた
大幅な弱体化を受けて尚、聖剣の力は本物だった
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 22:09:04.98 ID:4LM+oQmU0
セイバー「巨大な門の前に来たのはいいが門が閉じている。これでは先に進むことも出来ない」
セイバー「何処かにこの柵を上げる為の仕掛けがある筈だが……」
そう言いながらセイバーは進む。
迫りくる奴隷兵の群れを倒し、切り、裂き、多くのソウルが体内へと入り込んでいく
人型の敵を切るのは心地良い感触ではなかったが、覚悟を決めた騎士王は容赦なく敵を薙ぎ倒していく
数々の部屋を回り漸くレバーを見つけた。道中、長い通路でドラゴンに焼き殺されそうになったのは言うまでもなく
鎧を焦がされ蒼のドレスは焼け爛れたものの竜の因子を持つ者、体内で活動の原料となる魔力を形成でき
魔力正装で固められた鎧は思いのほか、竜のブレスの威力を減少させたようであった。
セイバー「………」
レバーは軽く握った手を引くだけで作動した
木製の歯車が息を吹き返し、作動し始めると大きな音を立て歯車の動きも止まった
これで最初の門が開いたのだろう、確信を持ってそう思うと再びあの巨大な門へと戻っていった
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 22:12:01.10 ID:4LM+oQmU0
セイバー「――なんだ、これは」
硬い地面には槍が突き刺さっており、禍々しく先端は殺傷力が極めて高い様を表す様に尖りきっていた
引っ張ろうとも突き刺さった槍はビクともせず、直ぐに諦め剣を構えると巨大な霧に向かって進みだす
どうやら、霧事態に何も影響は無く道中在ったものと同じく先に進める事を確認すれば
勇敢にも霧の中へ身体を通し待ち侘びた門の中へと入り込み―――
セイバー「っ!?」
突如、身体が霧を通過し視界が晴れたと思えば途轍もない速度を保ち槍が飛ぶ
持ち前の直感が働いたのか目の前まで来た槍を躱すと、再び剣を構え直し飛んできた方向を警戒した
――そこに居たのは無数の魔物。その中心には中核と思わしきに似た怪物が一つ。
その周りを守るように盾を持った魔物が群を作っていた
セイバー「こいつはっ…」
すぐさま柱の影に隠れ身をやり過ごす。
見たことのない陣形だが嘗てブリテンの王に即位し戦場を渡り歩いた騎士王の判断は正解だっただろうか。
密集陣形から繰り出される槍の投擲。凄まじい勢いで投げられた槍はセイバーの隠れた柱に突き刺さり皆まで言わずともその威力を語った
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 22:15:33.95 ID:4LM+oQmU0
剣をしまい突き刺さった槍の一つを引き抜きその腕に収める。
反逆を起こした息子を刺した時以来か、聖剣を振るい槍とはあまり無縁な彼女は両手で握り締め再び怪物と対峙する
恐らく、あれほどまでに、頑なに守る中身が弱点だと直感で感じ取った。
リスクは大きいが牙城を崩すには攻めなければ、到底難しく――。
セイバー「やあああぁぁッ!!」
獅子の滾るが如く、平行に構えたまま魔物も群れに突っ込む
小柄な身体に魔力を帯びた鎧のお陰か、無数飛んでくる槍の脅威は幾分か軽減して
漸く、魔物の中心地へと辿り着き、針を通す慎重さで中核に槍を刺す――…も
セイバー「ぐっ…ぁ…っ!」
突如として、集団で固まった魔物達は一斉に離れ張り付いた騎士王に群がった
そうして、槍を刺そうとする前に死角から飛んだ一本の槍が彼女の腕を貫き、激痛に顔を歪める間も与えられず一瞬にしてもみくちゃにされた。
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 22:18:52.44 ID:4LM+oQmU0
セイバー「あ、ぅ…んぐっ、ぎ…ィ……ッ!!」
魔物達の進行は止まらず、もみくちゃにした上から無数の槍を少女の体へと突き刺す
悲痛な声を上げようとも止まる筈はなく、鎧の隙間を通し精密機械の如く次々と槍の雨が降る
だが、騎士王にとって予想もしない好機が生まれたのは言うまでもなく
中核を守る魔物は全て自分に取り付いているのを確認するや否、混沌と化す中で再び聖剣を実体化させ魔力を込める
セイバー「ぃ、つ”……ああ、あぁッ!!」
腕を貫通した槍が関節を曲げる際、激痛を走らせるも聖剣を中心に風の暴走が起こった
纏わせた風を解放することで破壊力を伴った暴風として撃ち出す技、まさに魔物が集まった今が最良の瞬間だった
風の暴風を受けた魔物達はなすすべなく吹き飛ばされ、効果は壮絶。残るは中核を残した魔物の核だけだった
セイバー「これでっ、終わりだぁっ!」
危機を察したのか、魔物の核が仲間を呼ぶ合図を起こすも地面へと落ちた槍を握り締め
大きく腕を振るい槍は風を切り中核の魔物へと突き刺さった。
セイバー「…はっ…はっ、ぁ……」
その一撃が致命傷となったのか吹き飛ばされた魔物も皆、動きを止め全員が解けるように姿を消した
中核のデーモンからは光の様な塊が姿を現し、討ち取った騎士王の身体の中へと入り込んだ
「デモンズソウル」と呼ばれるソウルだと今の彼女は理解できなかったが、その膨大な力を持ったソウルは聖剣にも影響を与えたのかもしれない
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 22:21:24.49 ID:4LM+oQmU0
セイバー「はっ…はっ……あれ、は……」
満身創痍な騎士王がそれらの事に気づかず、その先にあった要の石に注目を注いだ
槍を引き抜いた場所から血が溢れる。
全身から温かさが抜け足元がふらつく。やっとの思いで要石の場所まで行き着き手を伸ばす
此処へ来たと同じく体を緑の粒子が包み込み転送されていく。
そこで意識が途絶えたセイバーが次に目を開いてみた光景は禊の神殿であった。
『THE DEMON WAS DESTROYED』
『鉛のデモンズソウルを手に入れた』
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 22:24:18.58 ID:4LM+oQmU0
セイバー「……ん、んぅ…ぁ……?」
視界に入り込んできたのは眩しい光に先ほど自分を召喚した女
徐々に覚醒していく意識の中で記憶を振り返り、気づけば頭の辺りに柔らかい感触が当たっているのを感じる
かぼたん「気が付きましたか?デーモンを倒したみたいですが、意識のないままその場に倒れていて…しかし、安心しましたよ」
セイバー「っぁ…その、申し訳ない。介抱までしてもらって」
身体中を貫いた痛みは今や何処にもなく、あるのは暖かく優しい抱擁だけ
愛撫にも似た心地良さに安息の笑みを浮かべ、身体を起こし鎧が軋む音と共に立ち上がる
セイバー「改めて礼を言います。確かに、マスターでなくともこの借りは必ずお返しします」
カボタン「私のことなど、気に掛けないでください…それより、私以外に手伝ってくれた方々もいますよ」
セイバー「なんと…その方にも礼を言わねば。どちらへ居るのでしょうか?」
かぼたん「あちらに…」チラ
ボールドウィン、トマス「」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 22:24:54.32 ID:4LM+oQmU0
セイバー「なるほど…怪我の手当てに情報まで、重ね重ね感謝のしようもありません」
トマス「いいんだよ。こうやって正気でいられる人に会うのは久しぶりだし、嬢ちゃんには良い人だ。死んでほしくない」
トマス「俺にはこれぐらいしか出来ないからな…デモンズソウルを手に入れたんだ。嬢ちゃんならきっと出来る、それじゃ、頑張ってくれよ」
セイバー「はい、このご恩は忘れません。必ずやいずれ、借りを返します」
セイバー「皆、良い人ですね…このような状況においても絶望せず、希望を持ち続けて生きている。最初に会えたのが貴方たちで本当に良かった」
かぼたん「そうですね…貴方のその言葉は私にはもったいないお言葉です。…そして、最初のデーモンを倒しましたね。これで他四つの要石が開かれます」
かぼたん「その前に要人とお会いしてください。この神殿の最上階、その場所に彼らは居ます」
セイバー「要人……分かりました、では」テクテク
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 22:27:34.71 ID:4LM+oQmU0
―――禊の神殿 最上階
セイバー「(まさか少し迷うとは思いませんでした…)」
セイバー「ここが最上階……」
複雑な構造の神殿を歩み彼女の言った通り最上階に到達するも、見渡す限り光の灯らない要人の遺体の列
直ぐに死者と断定しその異様な光景から目を背けようとするも、蝋燭の光が灯っている一人の要人を確認出来ればその場所まで歩いて。
要人「やぁ、デーモンを殺す者よ。私は要人、火防女には会いましたね?」
セイバー「はい、怪我をした私を介抱して下さった優しいお方でした。そして、貴方に会うよう言われたので此処まで来たのですが…」
要人「あははは、そうですね。彼女は優しい。…デモンズソウルを手にしているのがなによりの証拠。これより、四つの要石の封印が解けるでしょう」
要人「貴方は五つの要石からデーモンを斃しそのソウルを全て集めるのです。それらが全て集まれば、貴方は解放されるでしょう。火防女も救われます
セイバー「全てのデーモンを、私が…?」
要人「そうです。理解できたのならお行きなさい。既に封印は解かれました。どの場所から、誰から討伐しようが構わないのです」
セイバー「……分かりました」スタスタ
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 22:30:05.26 ID:4LM+oQmU0
かぼたん「…あ、お帰りなさいませ。要人にはお会いしましたか?」アシプラプラ
セイバー「はい、説明を受け全てのデーモンを斃してこいと。それにより全てが解決すると言っていました。私も、貴方も救われると」
かぼたん「デーモンを斃す為だけにこの場に現れた貴方に頼むには申し訳ない限りですが……」
セイバー「構いません。怪我を手当てして頂いた恩もあります。それに、当面の目的はデーモンの討伐だ。」
セイバー「一国の危機に民が苦しみ、今でさえこのような状況が続く中…私の力が救いとなるなら、喜んで剣を振るいそのデーモンを討ち滅ぼしましょう」
かぼたん「そうですか…ありがとうございます。デーモンを斃す者よ。貴方に加護があらんことを…」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 22:33:11.36 ID:4LM+oQmU0
セイバー「はい、それでは。」
火守女の傍を離れセイバーが訪れたのは一番右の属する要石。
セイバー「腐れ谷…」
異様な気配を感じた。この先にあるは塵と毒に塗れた禁忌の地方
直感が体中に訴えかける。行くべきでないと、生理的嫌悪に塗れた感覚が全身を襲う
セイバー「だが…」
手を翳し覚悟を決めた。緑の粒子となり、騎士王は湿った渓谷に属する忌み嫌う場所へと足を踏み入れた。
――腐れ谷
捨てられた者達の安息地。
腐敗物にまみれ、毒と病に侵されただ死を待っていた貧しい人々は
彼らを愛しんだ女にソウルを献じるため、谷に迷い込んだ者達に襲い掛かる
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 22:36:16.95 ID:4LM+oQmU0
腐臭に塗れ毒が蔓延する禁忌の谷。
凛とした少女が合う絵図ではなく、誰しもが正常な思考さえあれば近寄りもしない場所
セイバー「…っ……」
微かに聴こえる腐敗人の言霊。谷から谷へ反響し、身の毛のよだつ嗚咽が響く
風に守られた聖剣を武器に騎士王は進む。
辺りに散りばめられた犬の死骸。不浄の虫が地面を這い、謎の粘液が壁から染み出ていた
吐き気を催すほど不潔で不快な渓谷を突き進み、立ちはだかる腐敗人を切り払う
セイバー「やぁッ…!」
原型を留めることをしらない聖剣一撃が腐敗人の顔面に当たり、切り払いながら進む
斃し得るソウルの量は微々たるもの。結局、魔力が自動で身体に配分される彼女にとってソウルが無くなり廃人になる恐れはなかった。
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 22:41:01.39 ID:4LM+oQmU0
セイバー「しかし、酷い…」
今更ながらに、干渉しなければ攻撃を加えなかったのかもしれず
聖杯戦争とは違った世界。戻るためにはデーモンを全て討伐しなければならない
本当にデーモンとやらを全て倒せば介抱されるのだろうか、そんな疑問も抱きながらも谷の奥へと向かう
セイバー「っ!?」
突如、腐敗人の中に一際大きく通常の二倍ほどの慎重の腐敗人がこちらを感知した
手に持つは巨大な棍棒。腐敗人の力は凄まじく、あんなもので殴られれば無事ではすまないだろう
セイバー「だが、しかし……」
奇声を上げ襲い来る大腐敗人の攻撃を避け、距離を離す
再び獲物に向かい棍棒を振り下ろすタイミングに合わせ不可視の剣が腐敗人の足の腱を切り裂いた。
その隙を逃さず、騎士王の身体を使った突進に腐敗人はバランスを失い、底の見えない谷の奥へと落下した
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 22:44:48.94 ID:4LM+oQmU0
セイバー「……着いた」
大腐敗人を斃し、奥へと進んで行くこと数分後。
ボーレタリアで見かけた濃霧の壁。腐れ谷の最初のデーモンまで到達したのだった
壁には黒い害虫、生物の血を吸う蛭がこびり付き谷の中でも一線を凌駕する場所と化していた
普通の人間であれば発狂しかねない状況においても、誇り高い騎士王の心は折れず霧の中へと侵入していく
セイバー「…うっ…!」
霧の中へと入り込み段差になった場所から下を覗く。
それは最悪だった。壁にこびり付いた蛭達の群れ、あろう事か泥に汚染した水の中にさえ蛭が巣食い
近づくことは愚か、その場へ入る事すら躊躇しかねない地獄絵図。
そして中心に佇むは巨大な蛭溜まり。
無数の蛭達の集合体で有り、結合し新たな生物にも見えるケダモノこそデーモンであって。
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 22:47:38.86 ID:4LM+oQmU0
セイバー「……」
覚悟を決めた騎士王は躊躇せずデーモンの居る層へ飛び降りた。
剣の騎士としてサーヴァントに選ばれたのは伊達でなく、難なく着地するとデーモンへと不可視の剣を向ける
鎧の上からですら蛭が這い寄るのが分かる。汚染水に浸かったドレスは一瞬にして色が変色してしまう
不安定な場所で戦うアドバンテージを背負いながら、剣を構えた騎士王が先に動く
セイバー「はあぁぁ!」
バシャ、バシャと水の弾ける音と共に斬り掛かる。
躊躇をしないその一撃は重く、強く、そして蛭の集合体のデーモンには抜群の相性だった。
一撃で身体が崩れる程重大なダメージを負ったデーモンは塊の中から蛭を飛ばす
だが、初手の一撃が効いているのか、蛭の飛ぶ軌道を難なく交わし
もう一撃。蛭溜まりのデーモンへ聖剣の一撃を叩きこんだ。
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 22:50:37.24 ID:4LM+oQmU0
絶叫を上げて悶え苦しむ蛭溜まりのデーモン
力が衰えているものの聖剣の一撃は不浄なる存在には大きいダメージを与えた
蛭の集合体のデーモンは切り裂かれた断裂面から次々と溶け始め
やがて身体の原型を留めなくなり、霧散するように消え去った。
セイバー「……」
既に消え去ったデーモンの居た場所から魂の塊が姿を現した。
『デモンズソウル』
デーモンを討ちとった者として魂は所有者を求め、騎士王の身体の中へすり抜ける様に侵入した
活力が滾り膨大な量の魂を蓄えたことを本能的に察知する。
禊の神殿への帰り道、要石が出現しある意味、休憩地となった場所で騎士王は思考を巡らし―――
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 22:53:32.24 ID:4LM+oQmU0
セイバー「…よし」
結局、出現した要石の帰路を使わず先へ進む事にした
デーモンは強大で恐るべき怪物だが自分の腕には少なくとも自身はあり、互角に戦えることが連戦ではっきりと理解出来た
セイバー「早い所、この場のデーモンを討伐したいのですが…」
蛭溜まりが産み落とした要石を超え、狭い通路を進み抜けて行く
やがて、通路を抜け汚染水が蔓延る広大な毒沼が広がる一帯に辿り着いた。
先程よりも息苦しく、まともではない腐臭に似た匂いが辺り一面を包んでいた
慎重に足場を降り、沼の入口へと足を下ろしていく
襲い来る腐敗人。だが、騎士王の剣筋の前では無力に過ぎず、斬り伏せられ沼の中へと沈んでいく
セイバー「重たい……」
一歩。足を踏み出し沼の中へと入り込めば、何かに足を引っ張られるような、酷く鈍足を帯びてしまう
沼の水位は膝までだが確実に俊敏性を奪われたのだ。
沼の中では回避行動は取れなかった。不浄な毒沼が足にこびり付き引っ張る様に行動を制限するのだ
また、彼女は湖の精霊の加護を受けておりその足で川面を走れるものの、ここではそれすら発揮出来なかった
谷の瘴気が加護を駄目にしているのか定かではないが、今や歩み出せば返る事など出来ず再び谷の奥を目指した
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 22:53:53.10 ID:j4T05q+n0
>>37
不安定な場所なのにアドバンテージとれるのかよ...
あと色が変色って頭痛が痛いみたいだな
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 22:56:51.52 ID:4LM+oQmU0
セイバー「…っは、はっ…ぁ……ん、ぐ…」
度重なる様に谷は騎士王に襲い掛かる
先程から、気のせいか身体中の生気が抜け吐き気を催すほど体調が悪いのが感じられた
幾ら竜の因子が魔力を自動で生み出し、それを糧に活動を続けると言ってもこればかりは違った
何か、病や毒でも飲まされたような、沼に浸かれば浸かるだけ形容しがたい苦しみが彼女を襲った
セイバー「げほっ…」
沼を抜け休憩所にも思える足場を見つけると彼女は膝を折り休息した
間違いなく、この沼になにか疫病のようなものが溢れていると感じたのだ
始めは微かに感じていた身体の異常も今となってははっきりと分かるように
時間を掛けて身体を蝕んでいたのだった。しかし、今になってから気づくのは遅すぎて…
セイバー「んっ…ん……」
幸い、身体に流れる魔力が作動してか一方的に体力を奪われることはなくその点だけは疫病の進行を遅らせる事が出来た
ただ、それはただの延命に過ぎない。
瞳に映るは広大な毒沼の一帯。薄暗く、先の目標を視認出来ない恐怖が身体を襲う
ふと…辺りを見渡せば毒沼の一帯に小さな足場がありここから少し離れた所とはいえ光る何かがあった。
所謂、離れ小島と言ったらいいものか。最早、何処へ行けばよいのか、この状況で光は全てを救ってくれる気がした。
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 22:59:29.89 ID:4LM+oQmU0
>>44
何でも言う事聞きますから許して!
その辺りのバランスとか変な描写は、大目に見て下さい
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:01:07.82 ID:j4T05q+n0
>>51
ん?今なんでもするっていったよね?
完走させろよ期待してるぞ
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:02:15.96 ID:4LM+oQmU0
そう思えば行動は早く、騎士王の足は小島向かって走り出した
先程の場所からは遠くに見えたが思いの他走ればすぐの距離だった
颯爽と上陸してセイバーは光る物を確認した。
合わせて四つ、アイテムとも思わしき光る物に手を伸ばした
『儚い瞳の石』
セイバー「…これ、は…?」
手にしたのは半ば以上崩れかけた石だった。
一体何に使うのか、使用方法も分からないセイバーにとって正直な所、取らない方がましだったのかしれない
セイバー「……」
『儚い瞳の石』『儚い瞳の石』
内二つも全く同じ代物だった。何故、全く同じ物がこんな場所にあるのか分からず、苦悩した
だが、残る一つの物はセイバーにとっても予想を超えた代物だった
『騎士姫の鎧』
『騎士姫の手甲』
『騎士姫の足甲』
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:06:46.45 ID:4LM+oQmU0
最後に手にしたものは鎧だった。
それは純白。この毒の海に似合わず甲冑もドレスも純白で彩られた防具一式。
得た物の中で今の所使えそうな物であったが、一体何故こんな所におかれているのか、それは不明だった
セイバー「ん、っぐ……」
思いのほか長居をした。周囲は薄暗く、物を取れば発行していた光の輝きも消え失せ、再び薄暗い疫病の影が一面を覆った
重い腰を上げ、体中に進行した毒と戦いながら次に行く先を決めようとしたその時だった。
セイバー「…―――がッ…!?」
気味の悪い呻き声が聞こえた瞬間。騎士王の後頭部を衝撃が襲った
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:09:36.60 ID:4LM+oQmU0
一体何が起こったのか理解出来ず、うつ伏せになりながらぶっ倒れる。
後頭部が痛む。まるで巨大な鈍器で思い切り殴られたような、何時までも深い痛みが引いていた
セイバー「う、ぁ”っ……お、ぇ…」
胃に溜まる物が逆流し吐き気を催した。
未だ衝撃が残る頭を押さえながら立ち上がる。そして、彼女は見た
セイバー「はっ、…はっ……く、そ…」
蛭溜まりのデーモンに会う前の時、他の腐敗人より数倍巨大な化け物、大腐敗人が彼女の前に立ち尽くし、棍棒を片手に奇声を上げていた
毒に侵され、後頭部へのダメージを受けた彼女にとって脅威以外の何ものでもなく、追い打ちをかけるように絶望が押し寄せる
汚染水の水飛沫を飛ばしもう一人の大腐敗人が――もう一人、もう一人と出現し
見ればそれは四人に増えていた。改めて言うならもとよりこの場に巣食っていたように、丁度帰ってきたのだろう
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:14:07.15 ID:4LM+oQmU0
一切の躊躇なく。それらは一斉に襲い掛かった。
セイバー「あがっ…ああぁ”ぁ…っ!!」
左からの一撃は横腹を穿ち、怯んだ所へ正面から頭に棍棒を振り下ろされた
再び地に伏せると四人の怪物は嬲るように彼女を叩きのめした
こうして意識は薄れ、声を絞り上げようとしするも
頭へ打ちつけられた棍棒により騎士王は絶命した
コオオォォォ...
_____________________________
__
\ /γ⌒ヽ | | | ̄ヽ, | | | ̄ヽ,
Y | | | | | ) | ├─ | )
| ヽ___ノ .ヽ___ノ |_ノ. | |__ |_ノ.
_____________________________
However.the Nexus traps you.
You stay in the world as Soul.forever
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:15:33.43 ID:SF3rc/wX0
そら死ぬよね
70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:17:44.68 ID:OKPkKrKt0
ここまではテンプレ
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:18:04.07 ID:4LM+oQmU0
セイバー「……ぁ」
気付けば蛭溜まりのデーモンを斃した場所へと復活していた。
何故、と問いを掛ける前に自分の身体の異常に気が付いた
セイバー「これは……」
身体が透けている。それどころか厚みが消えた様に軽かった。
歩いても鎧の軋む音は聞こえず、まるで魂だけが独り歩きしていると言った様子だった
セイバー「……………」
悩んでも仕方なかった。目の前の要石に手を触れ神殿へと帰っていく
頼るべき仲間は居たのだと今になって改めて気付けば、後悔しながら彼女の体は消え神殿への帰路へと渡った
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:20:49.74 ID:4LM+oQmU0
かぼたん「…ああ、この様子ではやられてしまったようですね…」
セイバー「申し訳ありません。少し自分の力を慢心しすぎたようです…あの程度なら訳なく進めるかと、あの時は思いまして…」
かぼたん「いいのです。貴方が帰ってくるならそれで」
セイバー「ありがとうございます。して、質問したいことが」
かぼたん「その姿についてですね?」
セイバー「はい。あの時、私は間違いなく命を絶たれました。ですが、このようにして生き残っているのも事実。どういうことなのでしょうか」
かぼたん「その姿はソウルだけの存在。貴方は死亡して今は魂だけの存在なのです」
セイバー「魂だけの存在……?」
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:23:00.66 ID:4LM+oQmU0
―――――
――
…
セイバー「…なるほど。そういう事でしたか」
かぼたん「はい…デーモンを斃す者よ。気を付けて下さい…私は、あなたのためにあるのですから……」
セイバー「感謝します。そう思われて私は嬉しい限りだ。…そういえば」
辺りを見渡し彼女は加治屋、ボールドウィンの元へと向かった
何度も大腐敗人に叩かれる中で後から思えば防具の方は大丈夫なのかと思い始めた
ボールドウィン「なんじゃい、小娘如きが。ソウルでも持っているのか?」
セイバー「…私の防具を見て欲しいのです。」
ボールドウィン「よかろう。ではソウルを渡せ」
セイバー「……それが、該当する物と言えばこれぐらいしか…」
それは最初に倒したデーモン、ファランクスからもらった『鉛のデモンズソウル』だった
死して今までのソウルが無くなったのに気付いたセイバーにとって、ソウルの足しとなるものと言えばこれしかなかったのだ。
82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:25:25.88 ID:4LM+oQmU0
ボールドウィン「ほぉ……まぁよかろう。デモンズソウルを渡すのであれば許してやろう。防具をこっちへ貸せ」
セイバー「ありがとうございます。では早速」
カチ、カチと胸の甲冑を脱ぎ、手、足の甲をも順に取り外すと蒼のドレス姿に移り変わる
受け取った加治屋は怪訝そうに見つめながら回答を出した
ボールドウィン「…こいつぁ駄目じゃな。この場ですぐに直せるような傷ではない。時間を要するわい」
セイバー「それは、何時までかかりますか?」
ボールドウィン「分からん」
セイバー「む…」カチーン
ボールドウィン「分からんと言ったじゃろ。聞き分けい。それとも、お前さんは他の防具は持ってないのか」
セイバー「他の物など……ぁ」
思い出したように手を翳し先ほど手に入れた防具を出現させる
どうやら要石の先で手に入れた物は概念として受け取ることができ、所有者が念じればその場で出せる仕組みになっているらしく
出したのは純白に彩られた防具、先ほどまで自分が来ていた物が騎士の装備であるならこれは騎士姫と言ったらいいか、華やかな装備だった
84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:28:20.10 ID:4LM+oQmU0
セイバー「そうか、これを忘れていました…これならすぐさま先ほどの場所へと向かえる」
ボールドウィン「行けるならさっさと行かんか。仕事の邪魔じゃ」
セイバー「…防具の修理には感謝致します。はい、では早速…」
そう答えるとセイバーは蒼のドレスに手を掛けボタンを外していく。
ボールドウィン「お前さん、何をやっとるんじゃ」
セイバー「この鎧はドレスも付いているようなので着替えなければならないようです」
ボールドウィン「……」
ボールドウィン「…じゃったら他の場所で良かろう。ソウルを奪われて頭がおかしくなったのか?それとも、殴られたいのか?」
セイバー「なっ…いくらなんでもそこまで言う必要性は―――」
トマス「ま、ままままぁお二人ともそう言わずに。嬢ちゃん、直ぐそこにある柱の後ろで着替えるといい。加治屋さんも俺に免じてどうか…ハハハ…」
ボールドウィン「……さっさと行かんか」
セイバー「分かりました」
トマス「フゥー……」
91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:31:50.62 ID:4LM+oQmU0
―――腐れ谷 ヒル溜りの要石
セイバー「…不思議と何か加護を受けた気がする。気のせいだろうか」
蒼のドレスを畳み先程まで着衣した物をトマスに預け、生まれ変わった純白の鎧で蛭溜りの要石の前へと戻った
いつも着慣れる騎士の鎧とは違い最低限の防具に加え重さは無くなった模様
何より、ボールドウィンによると疫病に強いとのことらしい。
外見からも神秘性を漂わせるこの防具は不浄が蠢く渓谷では心強かった
だが、重さが無くなった分、防御に関しての低下は著しいと付け加えられた
セイバー「そして、これについて聞き忘れてしまいました…」
『儚い瞳の石』
三つも手に入れたものの、使って何になるのか分からなければ意味がない。
結局、三つとも元に戻しながら今は先に進むことに専念した。
今まで耐えれた一撃に注意しろ、と再度自分に言い聞かせるよう確認を促し毒沼へと辿り着いた。
セイバー「毒の沼……」
最初は足を取られるだけの沼かと思いきや病が住み着き浸かるだけで毒を伝染させる死の沼
先へ進むには通って渡るしかない。出来る事と言えば、迷わず突き進むだけ。
セイバー「っ…!」
バチャ、と足を沼へ突っ込み勢い衰えず疾走する
鎧が軽くなったお陰か、疫病の耐性なのか、以前のような重たさはなく先へと進むことが出来た
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:34:08.69 ID:4LM+oQmU0
セイバー「はぁッ!」
沼の上に浮かぶ海月擬き。一見無害に見えるも近づけば傘の後ろの長い触手を使い攻撃する
不浄の沼に生息する魔物の一種であり、迷い込む者に容赦ないのは腐敗人と同じだろうか。
不可視の剣で薙ぎ払い、命を失い泥沼に浮かび上がった海月の傍によるとアイテムを落としていた。
『貴族のロートス』
セイバー「これは…」
やはり使用用途の分からない物。だがこの花弁には毒の浄化の魔力が備わっていることに気が付いた
彼女の直感がそう伝え、サーヴァントとして魔力を兼ね備えるものなら分かることだろう。
大事にしまいこむと途切れ途切れの足場へと到達する
休息しようとするも束の間、陰に隠れた腐敗人が襲い掛かる
数は三体。すかさず剣を構え、振り向き様に剣を振るう
セイバー「たぁっ…!」
肉を削ぎ血潮が噴き出る。一体目の体を薙いだまま、横へスライドしもう一人の胴体を引き裂く
隙を突こうと最後に残った腐敗人が小型ナイフを振り回す。
だが、がむしゃらに回す武器の軌道など読みやすく、腐敗人の腕を飛ばし、喉を切り裂いた
93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:35:39.51 ID:yNgvfNhu0
白い装備ってあったか?貧金?
99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:38:49.63 ID:4LM+oQmU0
>>93
セイバーリリィのコスなんだけどさ大目に見てくださいオナシャス
95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:37:27.68 ID:4LM+oQmU0
返り討ちにあった三人の腐敗人が倒れると、陸地の中心部に居た大腐敗人が襲い掛かる
サイズの大きな棍棒に巨大でトラウマにもなりそうな成り立ち。
目の前の敵を叩き潰さんとセイバーに棍棒を振るう。
沼地でなければ足を取られる心配もなく、陸地を中心に棍棒の攻撃をよけると擦れ違いに攻撃を重ねる
セイバー「…――」
胴体を抉るもまるで痛みを感じないのか、溢れ出る血を抑えることなく再び攻撃に転ずる
だが、小柄なセイバーを捉えるのは至難の技だった。
それどころか追いかけ攻撃が当たるどころか、逆に攻撃を受け続けるのは大腐敗人の方であり、セイバーにはただの一度も当たることはなかった。
そうして、遂には大腐敗人の攻撃が止み、その巨体を地に伏せることとなった
セイバー「……ふぅ」
見極めやすい攻撃方法とは言え何度戦っても手強い相手だと感じつつ
陸地の先、霧に覆われた進むべき通路を見つけると掛けられている簡易な橋を渡り、霧を通過していく
102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:41:10.12 ID:4LM+oQmU0
出た先はまた沼だった。正直気が滅入る、と思うも進むほか道はなかった
簡易に掛けられた橋を降り、再び毒の沼へと足を付ける
幾ら疫病などに耐性がある鎧とはいえ永続的に毒を除去するのは無理があった
今になって毒は騎士王の身体を蝕み始めた。
セイバー「先程は苦労したがこれなら……」
先程手に入れた貴族のロートスを出現させ、恐る恐る口に入れ込んだ
自分は暴食なのだと自覚しながらも花弁を食すのは初めてだった。
味の方はともかく、どうやら予測した通り毒による汚染は一旦免れたようだった
セイバー「さて……」
何時までも沼に浸かれば再び毒が蝕む。すぐさま移動を開始し奥深くへと足を踏み入れていった
羽ばたく害虫、毒虫には目を掛けず無視を前提に進んだ。
完全に地の利がない状況に加え毒沼で戦うにはあまりも不利すぎる。
あれは蚊のような毒虫に見えるだろうか、だが、幸い素早い敵ではなかったので戦闘する必要もなかった
103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:42:17.33 ID:pv52Z/8S0
これってセイバーのソウル傾向が最黒になったらセイバーオルタになるんかな?
105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:44:19.00 ID:4LM+oQmU0
ようやく、次の陸地へと着くもその先にあるものに目を疑った。
セイバー「ぅ……」
外見は白く光沢感に満ち溢れ滴る粘液がグロテスクな容姿と最悪なまでに合っていた
セイバー自身、このような生物はブリテンでは見たことがなく、自身の胸は嫌悪感に満ち溢れていた
普通では有り得ないサイズの蛞蝓は粘液を纏い、ゆっくりと這う様子は恐怖以外の何ものでもなかった
セイバー「まだあんなにも…」
一匹を剣で斬り伏せようとするも、身体に流れる粘液が刃を滑らせ上手く斬り落とす事が出来なかった
結局、斬るよりも刃の部分で叩く方に切り替え、蛞蝓が絶命するまで叩き続けた。
どちらにせよ粘液のお陰で時間はかかってしまい、気が滅入った様子で先へと進んだ
109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:47:47.86 ID:4LM+oQmU0
進めど進めど毒の沼は無限に広がるようだった
だが、僅かながら残る陸地を伝い先を見通せば集落のような建物が視界に入った
その前を二体の大腐敗人と紫色の瘴気を纏った腐敗人が佇む。
戦闘は避けられない。幸い、こちらには気づいているのか三人一気に遅いかかる事はなかった
毒沼に浸かり続ける戦いは絶対に避けたい、剣を構え陸地を歩きまずは正面の二体に斬りかかった
セイバー「――!」
一体が棍棒を振りかざす。大振りに加え考えのない攻撃を見極めることは容易い
初段の攻撃を避け大腐敗人の胴体を切り裂く。
敵が怯み、続けてもう一体目が攻撃を繰り出す
小柄な身長さ故、腐敗人の股を潜り抜けると背中を斬りつけその上に乗り、頭部に剣を突き刺し横に薙いで頭を引き裂いた。
111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:50:37.51 ID:4LM+oQmU0
これで終わりではない。セイバーが二体の大腐敗人と戦う最中、待機していた腐敗人は毒の霧を放とうとしていた
すかさず騎士王は剣を両手に持ち切っ先を腐敗人に向ける
セイバーの剣を覆う、風で出来た第二の鞘。一時的に風の力を開放することで暴風を打ち出す魔術の技
セイバー「風よ…荒れ狂え!」
『風王鉄槌』
剣先から放たれた暴風は毒霧を唱えようとした腐敗人に直撃した。
風による蹂躙を受けながら腐敗人の身体はいとも容易く吹き飛ばされ、また息の残る大腐敗人に止めの一撃を加えた
セイバー「……」
だが連発は避けたい。此度の召喚はマスターによるものでなく、通常より魔力の供給が行き届かないのである
最良のサーヴァントと称される彼女もまた特別であり、正式なマスターが居ない今、出力の高い魔力を放出することは著しい体力の消耗となる
だが、既に集落の前を守る者はおらず、漸く毒沼の一帯を抜け第二の霧の壁へと侵入していった。
112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:53:09.76 ID:4LM+oQmU0
霧を抜けた先には老婆が居た。驚くことに人間だった、こんな汚染に塗れ到底常人が来るとは思えぬ所で。老婆は商人のようだった
セイバー「なんと……。このような所で何をしているのですか。大丈夫ですか、あの怪物たちに襲われたりしたら…」
老婆「…ふん」
老婆「そんなことよりあんた、何か買っておくれよ。この子のためにさぁ」
セイバーの忠告を鼻で笑い老婆は商品を見せた
普通の人間が何故このような所で商売を…?疑問は浮かぶがセイバーにとって所持品が乏しい為、使える物を求めていたのだ
例え怪物とはいえソウルを代償に取引は気が引けたが、躊躇すれば次に朽ち果てるのは自分であり、売買は成立した
セイバー「…宜しければ少し伺いたいことが。」
老婆「………」
セイバー「良ければお答えを。この谷はどうしてこのように成り果てたのでしょうか」
117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/11(水) 23:58:20.33 ID:4LM+oQmU0
老婆「あの女デーモンが来てからだよ」
セイバー「え?」
老婆「男たちは何かに憑りつかれた様に女にソウルを注ぎ谷へ迷い込んだ者を腐らせたよ。そうさ、あの女が来る前は此処も平和だったんだ。」
セイバー「女デーモン?もう少し詳しく――」
老婆「あんた、あの女を退治してくれるんだろう?」
セイバー「ですから、そのデーモンとは一体…」
老婆「容赦なんかしないでくれよ。この子に捧げるソウルはまだまだ足りないからねぇ」
それっきり再び老婆は口を塞ぎセイバーを視界から外した。
谷に長く滞在したせいでおかしくなったのか、セイバーもこれ以上の干渉は控え先へ進むことにした。
『貴族のロートス』×10
『寡婦のロートス』×5 を手に入れました
118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:00:49.81 ID:DZZFWzjM0
老婆と別れ集落の中へ入ればそこは腐敗人の溜り場だった。
死角から現れ息の根を止めようとする者。壊れた時計のように立ち尽くしたまま動かない者。
何処を取っても異常な光景にセイバーは息を呑む
セイバー「つぁっ!」
襲い掛かる腐敗人は脅威ではなかった。数こそ多いものの、騎士王たるセイバーの剣筋の前ではただの雑兵に過ぎず
一人一人、向かうものは斬り伏せられ遂には一太刀も与えられぬまま、腐敗人の死体の山が出来上がった。
セイバー「………」
呆気無いものだと心の中で虚無感に満ちていた
先程の老婆の言葉が頭を過る。
『男たちは何かに憑りつかれた様にソウルを捧げ―――』 『あの女が来る前は此処も平和だったんだ』
まるで罪悪感すら覚える気持ちだった。今に思うに、谷へ侵入しこの場を穢しているのは自分ではないかと。
しかし、要人は全てのデーモンを斃さねばあの神殿から解放されることはないと言った
最早、セイバーが決めていける問題ではなかった。
彼女は進むしかない。そうしなければ此処からの解放も、聖杯も、何一つ手に入れることは出来ないのだ。
119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:01:20.39 ID:DZZFWzjM0
集落の奥へと進むと上へと上がる簡易な板を見つけその先へと進んだ。
そうして、ヒル溜りのデーモンの要石から広大な毒沼を抜け、集落を抜けた先に巨大な霧の壁があった
この先にデーモンが居るのは分かっていた。
純白の鎧に彩られた騎士王は霧の壁へと手を翳し、その中へと入り込んだ
120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:04:44.76 ID:FKK9V5iZ0
セイバー「あれか…」
入った先は広い広間だった。入口には松明が設置され広場の中央、目的のデーモンが存在した
ハエが纏わりついた異形の像。
谷に流れ着いた汚物とガレキが形となったものだろうか。慎重に近づき、様子を窺う
巨像「」
巨像が騎士王を視認した途端、瓦礫で出来た巨大な腕をこちらに向けて、次の瞬間――
セイバー「!?」
巨像の腕から大量の『蠅』が飛び、騎士王を目標に攻撃を開始した
俊敏な動きで蠅弾を避けると不可視の剣を携え、一気に距離を詰める
見た目通りか巨像の動きは鈍かった。騎士王の初段が巨像の腕に命中する
セイバー「はああぁ…ッ!」
流れるような連続攻撃に巨像の動きは付いていかず、一方的な攻防が始まった
蠅を飛ばす腕を破壊された巨像は残った片手を振り回し騎士王に攻撃を仕掛ける。
だが、小柄な騎士王を捉える事は難しく大きく空振り騎士王に致命的な隙を与える羽目になる
122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:07:53.99 ID:DZZFWzjM0
セイバー「これで!」
大きく振りかぶった巨像の隙を縫い、聖剣の一太刀を浴びせようとするも巨像の体がうねり全身から蠅を飛ばす
とっさに繰り出された反抗に騎士王の剣は巨像にダメージを与えるも、代償として全身に蠅を集らす羽目になった。
セイバ「うぁっ…ぐ……」
巨像の中に住み着く蠅は凶暴であり纏わり付いた騎士王の身体を蝕み始める。
毒沼で浴びたと同じく、全身に集った蠅は少女の身体を噛み付きダメージを与える
セイバー「――!!」
集る蠅を吹き飛ばすにはこれしかなかった。再び剣へと魔力を注ぎ、暴風を起こした
風王鉄槌(ストライク・エア)と称されるその技は剣を中心に風が巻き起こり、纏わり付いた蠅を全て吹き飛ばした
セイバー「終わりだ――!」
風を纏った剣を構え巨像へと突進する。一瞬の内に近距離まで詰め寄ると暴風を剣から射出し巨像を引き裂いた
高出力の魔力で暴風を受けた巨像は只ではすまなかった
一瞬の内に体は破裂し、残ったのは住み着いた蠅と瓦礫の残骸だけだった
125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:10:40.71 ID:DZZFWzjM0
こうして、二体目のデーモンを斃した騎士王は息を整える
セイバー「ん…?」
デーモンを斃すや否、ソウル体から生身へ肉体が戻ってきた。
久々に生の肉体が戻ってきたのは純粋に嬉しく、両手を握りしかと肉の感触を確かめた
要人曰く、格要石の最後に属するは『デーモンの長』
腐れ谷は残す所、デーモンの長だけがセイバーを待ち構えるのだ。
セイバー「…一度、戻りましょうか。魔力を使いすぎたかもしれません」
一度目は毒を使う腐敗人の所、二度目は高出力に使った先のデーモンとの戦い
魔力の供給が浮き届かない不浄の谷でのこれ以上の探索は害しかなく、不潔な巨像を斃した事で要石が出現し丁度良い機会だった
要石に手を添えると巨像のデモンズソウルが身体に入り込んだ。
デーモンを斃す度、不思議と活力が漲り魔力の限界値も増えたように感じた。
まるでデモンズソウルを取り込む度に獣のような力が漲る様な…そんな気がしたのだ。
だが、余計な事は考えず今は神殿に帰り、疲れたこの身を休ませるべく神殿への帰還を果たすのだった
『蝕まれたデモンズソウル』を手に入れました
127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:13:13.22 ID:DZZFWzjM0
―――――――――――
―――――――
――――
そして、騎士王は再び腐れ谷に舞い戻った。
サーヴァントとしては不完全な召喚ではあったが火防女を通して魔力の供給は行えたらしい。
セイバー「気を付けて……ですか」
再び腐れ谷へ向かう途中、火防女から告げられた一言。
思えば彼女の顔の上半分は黒い蝋のようなもので潰れていた。
最初に出会った際、驚かなかったと言えば嘘になる。
だが、その真摯な態度と優しき心は話していく内に伝わった。
健気にも似た守ってやりたい儚さ、自分には無い女性らしさとはこのことだろう、と微かに笑みを零しながらセイバーは思った
セイバー「……」
デーモン『不潔な巨像』の残した要石から歩けば直ぐに見つかった。
濃厚な霧の壁。
腐れ谷のデーモンの長が居るであろう谷の最奥
覚悟を決め前進し騎士王は霧の中へと身を投じた。
131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:16:06.76 ID:DZZFWzjM0
――聖女は嘆いていた。またこの地に侵入者が入り込んだ悲劇に。
――騎士は憐れんでいた。また新たな侵入者がこの地で朽ち果てることに
哀れな貧者を救済するために腐れ谷にてデーモンとなった第六聖女
彼女の傍らには暗銀の騎士がただひたすらに守るもののために戦い続ける
アストラエラ「すみません、ガル・ヴィンランド」
聖女が名を紡ぐ
その隣には大量に折り重なった死骸の山。その中から暗銀の騎士が目覚める。
主を守る騎士は語らず起き上がり、入り込んだ異端者の元へと向かう。
アストラエラ「御無事で」
デーモンの長『乙女アストラエラ』
暗銀の騎士 『ガル・ヴィンランド』
133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:20:00.26 ID:DZZFWzjM0
霧の中へと侵入したセイバーを待ち構えたのは目を疑う光景だった。
巨大な怪物が口を開いたかのような広間。流れ落ちる滝は不浄な汚染水、ましてや人の死骸が流れ落ちていた
最下層の沼地には真っ赤な外見のグロテスクな赤子が住まう。
まさに地獄のような光景だった。
そして何より今まで襲い掛かっていた腐敗人が自分のなど目に掛けず、必死にソウルを捧げる姿がそこにはあった
『戻ってください、デーモンを殺す者よ』
儚い女性の声が響く。セイバーは剣を構えた
『ここは、神に捨てられた者たちが寄り添う場所です』
その声は哀愁に満ち溢れていた。
『あなたが奪うべき何物も、この地にはありません』
『お願いです、戻ってください』
懇願。敵対ではなく帰るよう警告を促す言葉に騎士王は困惑した。
138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:25:18.07 ID:DZZFWzjM0
セイバー「そんな……」
悟ったのだ。あの時、商売人の老婆が呟いた女のデーモン。
当て嵌まった。間違いない、この声の主がデーモンの長なのだと。
セイバー「っ………」
だがこちらにも引けない事情があった。
この地から抜け出す為にデモンズソウルは必要となるのだ。
神殿に縛られ、永遠とこの世界に居座る気など毛頭なかった
聖杯――己が望みを叶える願望機を手にするまでは死ねない
セイバー「なら…私とて敵対の意志はない!私は、ただ…!」
騎士王の吠える声が渓谷へ木霊する。
こんなことを言っても何もならないのだ
一方はデモンズソウルを望み、一方は引き返って欲しいと望む
対立は免れない。故に聖女の返答はなかった。
セイバー「――――…!?」
再度呼びかけようとした瞬間だった。
振り下ろされる鋼の鉄槌。間一髪避けたセイバーは不可視の剣を出現させ、手に取り構える
騎士王の瞳に暗銀の騎士の姿が映った。
140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:28:12.03 ID:DZZFWzjM0
ガル「やはり、戻れはしないか」
ガル「どうしても彼女を害そうというのであれば、仕方ない」
おそろしく巨大な粗鉄の槌。ヴィンランドの宝具のひとつ『ブラムド』を引き抜き、無慈悲に告げる
ガル「この地の底で腐り落ちるがいい」
それが完全な決別の意志であると騎士王は悟った。最早、言葉で語ることは出来ない
暗銀の騎士は再び構え目の前の少女に意識を向けた。同時に騎士王も不可視の剣を両手に持ち直し、騎士に意識を定める
セイバー「…こちらも引けない理由はある。これが答えか」
ガル「…………」
それを合図に激闘が始まった。
142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:32:30.47 ID:DZZFWzjM0
初手に講じたのはセイバーの方だった。俊敏さでは間違いなく相手を上回ると瞬時に考えたのだ。
それは間違いではなかった。ガル・ヴィンランドの人のみで扱うには重過ぎる『ブラムド』
一撃で勝負を決める重量を持った武装ではどうしても速度の面でハンデを負う事になる
ましてやセイバーの扱う武装は不可視の剣。
間合いを測らせない剣に加えて白兵戦の前では間違いなくセイバーの方が有利なのだ。
セイバー「はああぁぁっ!!」
咆哮と共に斬撃を暗銀の騎士に与える。
鎧で覆われた上からの攻撃で致命傷には至らずとも、その衝撃は計り知れず、凡そ少女の与える力では到底なかった
一瞬、ガル・ヴィンランドの姿勢が揺らぐも続けてブラムドを振り下ろす。
セイバー「…っ……」
ガル「……」
振り下ろされた巨人の一撃は騎士王の髪を掠り地面へと叩きつけられ攻撃を外した。
そしてもう一打。不可視の剣を暗銀の騎士に向かって振り抜く――が、左手に持つ暗銀の盾がセイバーの剣を防ぎ、二度目の攻撃を与えることは出来なかった
145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:36:05.79 ID:DZZFWzjM0
先程の見合いで理解し出来た。ガル・ヴィンランドはセイバーの速度についていけない。
だが、ガル・ヴィンランド自身も相当な使い手。剣筋の見えない不可視の剣を何度も盾で防ぎ、連続して攻撃を受けることはなかった。
聖女を守るだけの力はあるのだろう。それ故、あれほどまでに侵入者の死体の山を築けたのも頷ける。
ガル「貴様等は、なぜ我々を害そうとする?」
セイバー「……」
一撃を加え、二撃目を与える。俊敏な動きが出来るのは近距離においてもっとも強い
だが、ガル・ヴィンランドは対峙する中で見極めていく。何度もかち合い、鎧の上から攻撃を受け、不可視の剣の長さを見極める
ガル「もとより、貴様等が捨てたものであるのに」
ガル「我々は、ただひっそりと生きているだけだ」
セイバー「くっ……」
セイバーも長期戦になることを恐れた。間違いなく、スタミナの面では相手が上なのだ。
一方的な攻撃を仕掛けるセイバーとは反面、防御に徹するガル・ヴィンランド
確かに、確実にダメージは入りガル・ヴィンランドの方も体力は消耗を重ねていた
だが、結果先にスタミナが無くなり戦いに支障を兆すのはセイバーだと見れば誰しもが想定できる結果だった
148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:40:34.80 ID:DZZFWzjM0
ガル「そして、貴様に引く道などありはしない」
セイバー「何を…!」
ガル「――谷の住人を殺しておいて、戯言をほざくつもりか」
その言葉はセイバーの胸へ深々と突き刺さった
『どっちが敵だ?』『最初に侵入してきたのは?』『しかし、酷い……?』
間違いなく領域を犯したのは此方だった。それも、何十人と命を絶やしたのだ、その言葉から逃れらるわけもない。
セイバー「っ!!」
戦いの最中に心を揺さ振られるのは拙い。そうでなくとも、この騎士は強く何より自分と違い容赦がなかった
149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:44:05.59 ID:DZZFWzjM0
そして、正面から振り下ろした剣をついに暗銀の盾が捉えた。
セイバー「……しまっ…」
微かに漏れた声。騎士王の不可視の剣が盾によって捌かる。
魔防の加護を受けた盾は剣の圧力を諸ともせず、騎士王の剣を受け流し完璧な隙を作った。
その隙をガル・ヴィンランドが見逃す筈はなかった。ブラムドが振りかざされ、その一撃がセイバーの横腹を襲った。
セイバー「がっ――ぐああ”ぁ”、ぁっ!!」
その一撃は余りに重たかった。
純白に彩られた姫騎士の鎧は疫病を守る聖なる防具。
だが、その分鎧の装甲は軽く防御面では著しい低下を抑えられなかった
ガル「落ちたか……」
ブラムドの一撃は小柄なセイバーを吹き飛ばし最下層の疫病の沼へと突き落とした
…だが、ガル・ヴィンランド自身も不可視の斬撃を捉えるまでの傷は隠せないものだった
ガル「そのまま、不浄どもに食い殺されるのがいい……だが。」
沼に沈んだセイバーの周りに不浄の赤子が近づく。
息を吹き返し痛む横腹を抑え、必死に陸地へ向かう騎士王を視認した暗銀の騎士
息の根を止める為、暗銀の騎士はブラムドを担ぎその場へ向かう
152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:48:06.76 ID:DZZFWzjM0
セイバー「が、ぁ”……ぅ”っ、は…」
ブラムドによって打ち付けられた横腹は甚大なダメージを負った。
身体を揺らす度、骨が軋み全身を激痛が襲った。
油断はしていない。相手の読みと経験が一枚上手だったのか、即座に思考を切り替え聖剣を構える
セイバー「…っ、やあぁ…ぁ…!」
疫病の沼から現れる不浄の赤子。顔に表情はなく、無邪気に近づき獰猛な爪で敵対者に襲い掛かる
痛む横腹を気に掛けつつ剣を振るい赤子達を斬り伏せていく。
セイバー「っ…っは……ぐ…」
数は多いものの一撃で倒れていく様子に耐久度はそこまでなかったのか。
こうして目に映る全ての赤子を斃し、陸地に上がろうと足を掛ける
ガル「………」
セイバーの表情が一変する。
赤子の相手をしている間、ガル・ヴィンランドの進行を許してしまったことに絶望を覚えた。
再びブラムドを構え陸地に上がったばかりのセイバーに一撃を叩き込もうとする暗銀の騎士。
セイバー「な、に……!?」
痛む横腹を我慢し先に剣を振るう――その時だった。
一体。残った赤子が上がったばかりのセイバーの足を掴んだ。赤子を斬るもその行動を一瞬鈍らせた
それが決定打となった。
153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:51:07.67 ID:DZZFWzjM0
容赦のない一撃がセイバーの左肩に突き刺さる。
セイバー「ああ”ぁ”、が…っ~~~~!!」
片腕が千切れ飛ばなかっただけマシだったのだ。
ブラムドの一撃は左肩に直撃し骨を完全に砕いた。
苦悶に悶絶するセイバーにガル・ヴィンランドが呟く
ガル「ここまでだ…」
騎士の無慈悲な言葉に後ろから戦いを見届ける聖女は悲しんだ。
だが、それ以上、ガル・ヴィンランドが連続して攻撃を続けることは出来なかった。
セイバーが蓄積させた斬撃が今になって身体中に響いた
彼女の、聖剣としての効果は弱体化を受けながらも魔防の鎧の上から確実にダメージを与えていたのだ
――しかし、再びブラムドを構え。片膝を着き俯くセイバーの頭に狙いを定めた。
ガル「果てるがいい」
そして、今度こそ決定打となる一撃がセイバーの頭めがけて振り下ろされた。
154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:55:42.02 ID:DZZFWzjM0
ガル「…………」
――振り下ろされた筈のブラムドは未だセイバーの頭の上で止まっていた。
正確には止まったわけではない。セイバーの中心から巻き起こる風が風力を増し、暴風となりガル・ヴィンランドの向かい風となった
セイバー「風王…鉄…槌…」
その瞬間、剣に纏っていた風は解き放たれ第二の鞘が姿を消した
黄金に輝き神秘性を携えた聖剣が今、ガル・ヴィンランドの前で姿を現した
ガル「…………!」
セイバー「…エク、ス……」
聖剣が姿を現し風の加護が消えた直後、ガル・ヴィンランドのブラムドが渾身の勢いを保ちセイバーに振り下ろされる
だが、その初手より早く、所有者の魔力が光に変換し聖剣の切っ先から刀身にかけて「究極の斬撃」を放った
セイバー「カリバァァー!!」
弱体化を受けて尚、迸る輝きは薄れず暗銀の盾をも通過し魔防で固められた鎧の上から、ガル・ヴィンランドを斬り伏せた
155: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 00:59:35.83 ID:DZZFWzjM0
セイバー「はっ…くぁ……」
これが最後の一撃だった。片手で発動した負担を大きくこれ以上剣を振るう事は不可能だった。
暗銀の騎士は敗れた。騎士王の究極の一撃を受け立った者はいないのと同じ、身体が崩れるのが理解出来た
ガル「アストラエラ様……」
騎士が聖女の名を紡ぐ。役目を果たせなかったこと、自らが地に埋もれていく。
聖女の目の前で騎士は倒れた。聖女は瞳を揺らし、最後まで騎士のその姿を目に残した。
ガル「■■■■■■■……」
今際の時に騎士が呟いた言葉は遂に分かることはなかった。
こうして、最後まで聖女に従い守り抜いた守護者は沼の中へと沈むようにその姿を消した。
157: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:00:30.28 ID:NOk05v8i0
ああ、ガル・・・
159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:02:45.82 ID:tAk6f5FU0
デモンズで一番燃えるのはガル戦
二番目がビヨールとともに戦う貫きの騎士
当然ビヨールさん出てくるよな?
160: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:02:58.59 ID:DZZFWzjM0
聖女は悲しんだ。共に此処まで歩み自分を救ってくれた存在が消えた事に。
だが、消えてしまったものが元に戻る事は無い。
セイバー「…はっ…づ”ぅ……」
疫病の沼を超え騎士王は聖女の元へ辿り着いた。
途中、疫病が身体を蝕むも老婆から買い取った『寡婦のロートス』のお陰で、液状は除去することが出来た
聖女の元へ着いた騎士王は言葉が出来なかった。
最も大事であっただろう騎士をこの手で殺めこうして立ち尽くす姿は獣にしかみえないのかもしれない
その沈黙を聖女が破った
アストラエラ「あなたは……そうですか…」
悟ったように。今、起きたことが現実であることを思いださせる
アストラエラ「あの人が斃れたのですね……」
その言葉にセイバーは顔を歪めた。
先程まで死闘を勝ち取った勝利は今になっては罪悪感の何ものでなかった。
横腹を甚大なダメージが襲い、左肩の骨が砕けた姿は満身創痍。
これから、聖女アストラエラが攻撃を仕掛けようものならなすすべなく斃されるであろう。
162: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:06:10.85 ID:DZZFWzjM0
だが、聖女の取った行動は違った
アストラエラ「分かりました……私の抵抗など無意味でしょう」
アストラエラ「さぁ、望みのデモンズソウルをお取りなさい」
自らの両手を合わせ濁った魔力が乙女アストラエラの身体に渦巻くのがセイバーには分かった。
その行為を止めさせるべく聖女の手を掴む
セイバー「何故だ…な、ぜ…!」
言葉にならない言葉でセイバーは聖女に語る
彼女の守護者を殺したの自分、こんな事を言える資格もないのに、だが言わなければ自分自信が破裂するような思いだった。
アストラエラ「デーモンを殺す者よ…これしか、方法はないのです……」
掴まれた手を払い、聖女は騎士王の頬に手を添える
デーモンとなるもその暖かさは人間に近いものだとセイバーは認識した。」
その実感が途切れると、セイバーは目を見開き聖女を見つめた
悲痛な声と共に聖女の体が崩壊した。最後まで、悲しげな瞳は変わらず頬に添えられた手も薄く透明に透けて、居なくなった
164: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:09:24.20 ID:erBEu1lv0
アストラエア様を遠くから矢でチクチクするのはやめたまえ
165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:09:54.30 ID:6idQHq6/0
>>164
わたしです
166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:10:29.70 ID:DZZFWzjM0
聖女アストラエラが消えた事により要石が出現しデモンズソウルがセイバーの身体に入り込んだ。
そして、先ほど倒したガル・ヴィンランドの装備がソウルの概念と化しセイバーの所持品となった。
失った物は戻ってこない。
「最も真摯な」六番目の聖女、アストラエア
聖女の付き従う騎士ガル・ヴィンランド
二人の結末を見届けたのはセイバーのみ
結局、得られたものはデモンズソウルと果てしない虚無感だけだった
セイバー「………」
ここで立ち止まるわけにはいかない。自分は帰還し火防女達に報告をしなければ。
生気のない足取りで要石に向かうと手を翳し、誰も居なくなった谷を後にセイバーは神殿へと帰還した
167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:11:46.68 ID:DZZFWzjM0
無茶苦茶になったけど安価の腐れ谷は攻略しました(満足顔)
これ以降目途も何も立ってないんですけどこんな感じでいいですかね…
168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:12:38.26 ID:tAk6f5FU0
良い感じ。非常にクオリティ高いよ
でももっとガンガン死んでもいいのよ?
169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:15:41.68 ID:fR3KsvjO0
だな、やっぱデモンズなら死んでほしいな
170: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:16:19.61 ID:6idQHq6/0
なかなか面白いです
この調子で他も攻略してくれるのならぜひ読みたい
173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:18:45.49 ID:tAk6f5FU0
谷ときたら次は塔だろ?
で、ランサーあたりが塔3ボスになるわけだな?
174: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:20:17.30 ID:DZZFWzjM0
しょうがねぇなあ…(迫真)
書き溜めは疲れるんで即興が一番、はっきり分かんだね(迫真)
先に次の安価取った方がいいんですかね…
175: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:21:39.66 ID:DZZFWzjM0
>>168-169 正直言うと騎士姫セイバーを蛞蝓の中に投げたかった(迫真)
なんか他、要望あったらどうぞ(棒読み)
176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:22:31.50 ID:NOk05v8i0
ぜひユーリアを助けていただきたいな
178: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:24:02.28 ID:6idQHq6/0
賢者様を踏m・・・いえ冗談です
179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:24:06.78 ID:erBEu1lv0
もっとダンジョン先にいるNPCとの絡みとか
デモンズ特有のユニーク武器使うところとか見たい
後、魔法とかも
180: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:26:04.61 ID:tAk6f5FU0
まあ、ガッチリシリアス出来たから今更ギャグっぽいのは入れにくいかもなww
ビヨールさんと気が合いそうなので共闘してほしいな
あとはみんな大好き黒サツーキさんとサムライスピリッツしてもらえれば
183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:29:47.62 ID:DZZFWzjM0
彼女、剣と槍以外使えましたっけ…
じゃあ次は多めにソウル体にします(ゲス)
自分、眠気ヤバいんでギャラもらって帰っていいですかね(棒読み)
184: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:32:34.45 ID:tAk6f5FU0
また後日まで書き試してスレ立てルの?
デモンズだから細かいことは気にしない
185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:32:50.93 ID:erBEu1lv0
ルーラー、月明かり、竜骨
もっと剣引き抜こうぜ!
186: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:35:14.79 ID:6idQHq6/0
乙乙
ではギャラとして青ニートの置いてったソウルを
190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:38:25.95 ID:DZZFWzjM0
>>184
この調子で書き溜めするのは疲れるんだよなぁ…今日夜ぐらいに戻るんで残ってたら安価取る(迫真)
>>185
月明かりは取ろうとしたらセイバーが白くべたつくなにかにやられるので難しいんじゃないんですかね…
他のユニーク武器は考えますんで(震え声)
>>186
つ893ソウル
では寝ますお休み
192: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:40:37.74 ID:fR3KsvjO0
乙虎ヴァ
196: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:46:12.85 ID:+zU8Sxvo0
乙でした
凄く楽しかったよ
198: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:49:17.33 ID:DZZFWzjM0
安価決めといたほうが良かったか、もし明日立てる時スレタイが思いつかないな
じゃあその時に安価やらその他意見聞きますわ。お休み
でんでん! ,===,====、
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.. ∧_∧ /||___|^ ∧_∧
.. あーあー (・ω・`)//|| |口| |ω・` ) あーあーあーあーあー
..でんでん! ./(^(^ .//||...|| |口| |c )
..... ∧_∧ / // ||...|| |口| ||し でんでん!
....... あーあー (・ω・`) //.... ||...|| |口| ||
/(^(^ // .... .||...|| |口| ||
"" :::'' |/ |/ '' " ::: ⌒ :: ⌒⌒⌒ :: "" `
:: ,, ::::: ,, ; ̄ ̄ ̄ "、 :::: " ,, , ::: " :: " :::: "
199: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/12(木) 01:55:06.73 ID:tAk6f5FU0
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\ /γ⌒ヽ | | | ̄ヽ, | | | ̄ヽ,
Y | | | | | ) | ├─ | )
| ヽ___ノ .ヽ___ノ |_ノ. | |__ |_ノ.
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However.the Nexus traps you.
You stay in the world as Soul.forever
コォォォ…
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- 2012/07/12(木) 20:00:00|
- Fate
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