1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/21(土) 19:39:47.25 ID:2WQyrQWM0
祖父「うむ。そうだ。その通り」
わたし「これを見る限り、わたしはとんでもない種族と、口にだすのも憚られる赤面ものの行為をする必要があるようです」
祖父「おまえが思うような楽な仕事ではない事は確かだな」
わたし「ええ、まあ」
祖父「調停官を引き継ぐというのなら、兎にも角にも彼らに会ってみるのが良いだろう」
わたし「そうですね。かなり気は進みませんが、とりあえずはご挨拶ぐらいしておきましょう」
祖父「念のため、これを持っていけ」
わたし「これは……ゴム、ですか。ええと、わたしは別に人とそういう行為をするわけではないのです」
祖父「だから念のためだ」
わたし「こんな念が必要な場所に、わたしは行かなくてはいけないのですか」
祖父「場所が場所だからな。用心するに越した事はない」
わたし「用心するに越した事が無い場所で、これが役に立つとは思えません」
祖父「それをどうにかするのも調停官の役目なんだ」
わたし「調停官という言葉を便利に使わないでほしいですなあ」
引用元:http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1342867187/
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/21(土) 19:50:07.68 ID:2WQyrQWM0
わたし「う~ん。ここは見事に無法地帯ですね。まあただのゴミ山で、放棄された場所なんですが」
わたし「果たして本当に、こんなところに彼らは居るんでしょうか? 子供心をくすぐりそうな物は沢山ありますけど……」
わたし「……これは、」
わたし「いえ、見なかった事にしましょう。健全でとても大事なお仕事である調停官には、関わる必要の無いものでした」
わたし「…………」
わたし「ええと、動くのかな。……これはわたしが個人的に興味あるというよりは、彼らが興味を持ちそうなのを調べるだけです。そう、一種のフィールドワーク」
カチッ
ヴヴヴヴ
わたし「幾百年の時を経ても尚、旧人類の技術はかような場所で生き残っているのですね。わたし、少しばかり感動しました」
ヴヴヴヴヴ
わたし「……ごくり」
わたし「これはフィールドワークの一環として、調停官であるわたしが確保しておきましょう」
わたし「何も問題はありません。ふう、さてと。今日はもう随分歩いたので、ゆったりゆっくり帰るとしますか。彼らにも会えませんでしたし」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/21(土) 19:51:20.02 ID:68EGaHOY0
ほう・・・
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/21(土) 19:59:45.43 ID:2WQyrQWM0
わたし「ただいま戻りました」
祖父「調停官として実際何もしていない私が言うのも可笑しな話だが、帰ってくるのが些か早過ぎるぞ」
わたし「え、そうでしょうか。調停官初日にして、わたしはとんでもなく凄い速さで仕事を……」
祖父「いや。そんなわけないだろう」
わたし「どうして否定するんですか」
祖父「おまえが早く動く姿を想像出来んからだ」
わたし「まあ……何かを言えばただの言い訳になってしまいますね」
祖父「で、何か収穫はあったのか? さっきから手を後ろに組んで何をしとるんだ」
わたし「これはですね、調停官の先任であり、先輩であり、師であり、家族であるおじいさんに敬意を表しているのです。見てください、背筋も伸びているでしょう」
祖父「おまえはどうしてそんなに堂々と嘘を吐けるんだ」
わたし「嘘ではありません……それで、あの、わたしはそろそろお暇を頂きたいのですが」
祖父「それこそ早いな。まあ、昨日の今日だから私は何も言わないが」
わたし「では。背を向けるのも失礼なのでこのままの格好でさようならをさせて頂きま」
祖父「おっと。そうだ、おまえに渡すものがあったんだ」
わたし「……!?」
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/21(土) 20:08:17.42 ID:2WQyrQWM0
祖父「出て行く前に渡し忘れていた。ほれ、おまえの初任給だ」
わたし「昨日の今日で受け取るのは、それこそ早過ぎる気がします。気分的に、月末に受け取りたいのですが」
祖父「月末だと」
わたし「キャラバンが戻ってしまう、でしたね。はい、知ってます。でも、せめて日の終わりに受け取りたいというのが実情です」
祖父「なんだ。そんな面倒臭いことはせんでもいいだろう。ここで渡せば済む話だ。ほれ」
わたし「いやっ! その!」
祖父「……どうした、おまえが大声をあげるなんて珍しい」
わたし「いえ、違うんです。わたし、フィールドワークの結果として手が泥だらけでして……その初任給を受け取るに受け取れないのです」
祖父「そんな事を気にするやつではないだろう」
わたし「それは昔の話です。今は昔と違ってあちこち成長し、結果として汚い金を素直に受け取る事が出来なくなったというわけです」
祖父「汚いのはおまえの手だ。あと、金じゃないからな」
わたし「とにかくですね……」
祖父「ああ。もういい分かった。おまえは日が暮れるまでこのやり取りを続けるつもりなんだろう。じゃあ、これはおまえのデスクに入れておくからな」
わたし「ありがとうございます。では、また明日」
祖父「帰る家は一緒だろう」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/21(土) 20:19:50.35 ID:2WQyrQWM0
わたし「なんとか見られずに済みました」
ゴトン
わたし「しかし、どうしましょう。常識的に考えれば、こんな物がうら若き乙女の部屋にあるのは、少々問題があるように思えます」
わたし「けれども、こんな物でも物は物。使わなければただの骨董品です。使わなければ……」スッ
わたし「……いや、少し落ち着きましょう。これが現在も使用可能であるのは僥倖なのです。在り得ぬ事なのです。奇跡なのです」
わたし「わたしが我が身を慰めたいが為にこれを使うのはどうなのでしょう。貴重な物を悪戯に消耗させる行為は、とても良くないように思えます」
わたし「いやでも。これはわたしが個人的に取得したものであり、これをわたしが持つ事を知るのはわたしだけです。つまり、わたしがどうしようがわたし以外には気付かれない……?」
わたし「いや! でもわたしは調停官として、これを持ち帰ったのです。彼らとの親睦を深めるのに役立つかもしれないという、後付け設定で持ち帰ったのです」
わたし「されども! わたしは色々な部分が大きくなったり、まあ大して変化しなかったりもしておりますが、これでも成熟した女性です。つまり、」
ドンドンッ
わたし「ひゃあい!」
祖父「飯だぞー」
わたし「はい、今行きます。……ふう、とにかくこれはベッドの下にでも隠しておきましょう。流石のおじいさんも、レディーの部屋に無断で立ち入る事は無いと思いますが、念のため」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/21(土) 20:34:59.09 ID:2WQyrQWM0
わたし「……さて、食事も済んだところで例の物について熟考しましょう。家に帰ってまでも仕事のことを考えるなんて、我ながら感心します」
わたし「…………」ゴソゴソ
わたし「…………」ゴソゴソ
わたし「……えっと? 落ち着きましょう。まず1レス前を確認します」
わたし「わたしは間違いなく、あれをベッドの下に隠しました。確認するまでもありませんね。食事中も頭から離れなかったですし」
わたし「食事中、おじいさんの挙動には特に注意したはずです。トイレまでついていくほどに」
わたし「そして、わざわざ他人のお宅にまで侵入して物を盗るような輩が、この冗談みたいに平和な里にいるとは思えません」
わたし「つまり……?」
???「なにこれ?」「ナニそのもの?」「まだうごく」「うごけどもつかえぬ」
ヴヴヴヴヴ
わたし「地の文が許されるのならば、わたしは背筋が凍ったという事をわざわざ口に出さずとも良かったというのに……」
???「くちにだす」「こうないしゃ」「これいじょうはあうと」「むしろいそげ」
わたし「こんな形で彼らと巡り合えるとは、人生とは驚くほどに数奇でまったく予想がつきませんなあ……」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/21(土) 20:46:51.36 ID:2WQyrQWM0
わたし「ええと。あの、わたし、平静を装いつつも結構混乱していますが、お話をよろしいですか?」
妖精さん「かわいい?」「あまいにおい」「おかしみたい」「おかしてみたい?」
わたし「何やら尋常ではないワードが出てきた気もしますが、出来れば犯すのはやめていただきたいな、とお願いしたいのです」
妖精さん「きゅーじんるいのくせに」「きゅーじん」「んじゃめな」「なまでしたい?」
わたし「生だろうがなかろうが、なにをするのか存じ上げませぬが、とりあえずはしたくありません」
わたし「それはさておき。あなた達が妖精さん……ですね? こんな人里に現れるなんて珍しい。というか、吃驚しすぎて腰が抜けそうです」
妖精さん「めすのにおい」「あまいにおい」「えろいこ」「わたしちゃん」
わたし「いやその……原作1巻90ページまでしか知らないニワカなわたしには、少しばかり妖精さんの台詞は敷居が高いので黙っていただけますか」
妖精さん「……」「……」「……」「……」
わたし「困ったことになりました……」
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/21(土) 20:59:08.55 ID:2WQyrQWM0
わたし「とりあえず情報を整理してみますと、わたしが持ち帰ったアレがきっかけとなり、妖精さんがわたしの部屋に集まりました。以上」
わたし「それは見れば分かります。が、わたしが持ち帰ったアレは、妖精さんの手が加えられてかなりドギツイ感じに変貌しています」
ヴヴヴヴヴ……
妖精さん「つかまりますか」
わたし「え? ど、どっちの意味で?」
妖精さん「まちがえました。つかいますか、せいかいです」
わたし「使いますか、というとそのアレをですか?」
妖精さん「いえす、バイブです」
わたし「言っちゃいましたね、とうとう」
妖精さん「まだいってないとおもわれ。しかんしていった?」
わたし「……妖精さんについての情報は、あの破廉恥なファイルが全てだったのですね。わたしが学舎で得た知識が雲散霧消していくようです」
妖精さん「つかう? つかってしまう? つかわないをひていする?」
わたし「……ごくり」
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/21(土) 21:10:16.84 ID:2WQyrQWM0
妖精さん「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかってしまえ」
「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかえ」
「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかえ」
「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかえ」
「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかってしまえ」「つかえ」
わたし「普通に怖いんですが。これでもわたしはか弱い少女なのです。ちょっとしたホラーな展開にビビりまくりです」
妖精さん「つかわせろ?」
わたし「強引なのは良くないですよ。これはお互いのためです。今後とも仲良くやるための秘訣です」
妖精さん「にんげんのくせにー」「おかされたいくせにー」「りょう……じゅく?」「りょうじょくがせいかい」
わたし「あ、あのう……。そのバイブはお返ししますから、とりあえず落ち着きましょう?」
妖精さん「おんなのこ」「かわいい」「これがおちついていられますか」「たぎっちゃう」「たぎらせられられた」
わたし「本格的にわたしの貞操がやばいです。あと、自分の台詞が段々ブームくんのそれに見えてきて、憂鬱になってきました」
妖精さん「にょたいですか」「こうふんしますな」「おかしてやれです」
わたし「そういう感じで種族の壁を乗り越えちゃうのはちょっとですね……」
妖精さん「いしゅかん」「さいこう」「からだにかたる」「たかる」「こうふんしますなー」
わたし「……おじいさん。妖精さんは、こわい子でした」
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/21(土) 21:12:46.60 ID:HYBF7AfO0
妖精さんは単性生殖を超えて、魔法的な自然発生で増えるから性欲はないんだろうな
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/21(土) 21:24:42.30 ID:2WQyrQWM0
わたし「わたしの手に負えません。正直、この仕事を舐めていました。というか、学舎の情報とは何だったのか」
わたし「これまで生きてきた全てが無駄に思えます。妖精さんに犯されるなんて、調停官はそんな職業ではなかったはずです」
妖精さん「たいじん」「たいきゃく」「てったい」「はいたい」「にがすなー」
わたし「あ、あれ……ドアが開きません」ガチャガチャ」
妖精さん「むだなあがきを」「むしろいい」「ていこうしろー」
わたし「>>47さんが言っています、妖精さんには性欲がないと。わたしは信じてます。だからきっと、あなた達も冗談で……破廉恥なことを言っているんですよね?」
妖精さん「なにそれ?」「そういうせってー?」「うそせってい」「だされた!」「だまされた!」
わたし「もう何を信じればよいのか……」グス
妖精さん「なきがおさいこう」「なみだはしょっぱい」「あまくない」「あまいのあいえき」
妖精さん「にんしんしてください?」
わたし「いやです……」
妖精さん「あんしんしてください、です。ちょーていかんですね? わかります」
わたし「! そ、そう。調停官です。分かりますか?」
妖精さん「しんきゅーのかべを、だいなみっくにこわすのがしごとですか」
わたし「新旧人類の関係を取り持つのが仕事です。肉体労働が求められるようなダイナミックさは必要ありません」
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/21(土) 21:34:23.29 ID:2WQyrQWM0
妖精さん「では、めいれいです。じゃなく、ていあんです」
わたし「なんでしょう」
妖精さん「ちょーていかんの、かべをやぶってゆうあいします?」
わたし「……と言うと?」
妖精さん「かべ、ないですか」「えっ」「しょじょちゅー」「ちゃうちゃう」「ちゃうことない」
わたし「つまり、わたしが純潔を奪われることで仲良くなろうと……」
妖精さん「りかいそうろうでたしかるます」
わたし「さすがにそれは無理ですよ。調停官はみんな、処女を上司に奪われるという後付け設定です」
妖精さん「うそつき」「うそつきはごうかんのはじまり」
ドンドン
わたし「! お、じいんむっ!!」
祖父「おい、さっきから騒がしいぞ。何かあったのか?」
妖精さん「くちおさえろー」「うでおさえろー」「あしおさえろー」「こえまねします」「ちょうねくたいがたです」『んっ……あん、だ、だめっ……い、いっちゃう!』
祖父「さ、最近歳で耳が遠くなってな。いや静かに寝てるならそれでいい。おやすみ」
わたし(色々と終わりました……)
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/21(土) 21:50:11.15 ID:2WQyrQWM0
ガラッ
わたし(窓を開けて何をするつもりでしょう)
妖精さん『あっ、あっ、あっ……だ、だめぇ! バ、バイブでいっちゃうぅぅぅぁあぁぁぁ!!」ピシャッ
わたし()
わたし(衝撃的すぎて言葉を忘れてしまいました)
わたし(明日から、わたしはむっつりスケベでいる事も許されないのですね。学舎を卒業したあの子が、実は淫乱だったなんて最悪です)
妖精さん「したじゅんびおけ」「これでごまかせるー」「あえぎごえのいいわけ、おけ?」「かんしゃしたい?」「しゃべらせろー」
わたし「ぷはっ……もう、なんというか、絶望の味を知ってしまったというか、かつてのわたしにはもう戻れないのだなあと、思ってしまうのです」
わたし「世界というのは思っているよりも狭いのです。今の時代は特にそうです。わたしが絶頂したという悲報は、瞬く間に全世界に伝聞されるのでしょう」
妖精さん「ふっきれた?」
わたし「ええまあ。もっと希望に満ち溢れた楽な人生を送りたかったというのが本音ですが。というか、今でも戻りたいと思っているわけなのですが」
妖精さん「かいらくぜめ、しちゃう?」
わたし「…………」
そして、わたしは一夜を妖精さんたちと過ごすこととなったのです。翌日からの連夜は、人間と過ごす事が殆どになりました。
調停官、この仕事に就いてしまったのが運の尽き。前々任者がテクノブレイクという奇病で死んだ意味を、もっと考えるべきでした。
気がつけば、わたしは妖精さんと人間に犯されて、両穴責めをされることも増えてきました。
まさか、こんな形で新旧人類を繋ぐ〝かけ橋〟になるとは思いもしませんでしたが、とりあえずは仕事を全う出来て良かったなあ。
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/21(土) 21:50:52.35 ID:2WQyrQWM0
飯食うからキリいいしここで終わるわ!
もっと原作理解度を深めるべき
63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/21(土) 21:52:30.96 ID:68EGaHOY0
よかった
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/21(土) 21:56:08.75 ID:HYBF7AfO0
>>61
おつつ
お前には新・旧版の「人類は衰退しました・全巻セット」を贈呈しよう
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/21(土) 21:59:20.09 ID:l8Nna49O0
さすがピンク
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- 2012/07/25(水) 18:00:00|
- 人類は衰退しました
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