あかね「ずっと同じ屋根の下で暮らしてきて今まで耐えてきただけでも上出来よね」ｽｯ

あかね「……」

コンコン

あかり「はーい！」

あかね「あかり、お姉ちゃんだけど、ちょっとお部屋入って良いかしら？」

あかり「あ、良いよ～！」

あかね「じゃあ、開けるわね」


ガチャッ


あかり「お姉ちゃん、どうしたの～？」ﾆｺﾆｺ

あかね「……」

あかり「お、お姉ちゃん……？」

あかね「……」

あかね「あ、あのね（あ……いざあかりの笑顔を見ると……）」

あかり「どうしたの～？」

あかね「ちょ、ちょっと肩揉んであげよっかなって思ってね」

あかり「か、肩？」

あかね「う、うん。あかり、今日までテストだったから、きっと肩凝ってるんじゃないかなって思ってね」

あかり「あ、そういう事かぁ～！」

あかね「揉んであげるわね」ｽｯ

あかり「え、あ、ありがとう～（良いのかなぁ～）」

あかね「頑張って夜中まで勉強してたもんね」ﾓﾐﾓﾐ

あかり「うん、今回は頑張ったよぉ」

あかね「ど、どう？　（でもやっぱ……）」ﾓﾐﾓﾐ

あかり「すごく気持ち良いよぉ！」

あかね「そ、そう。それは良かったわ（ダメだ……）」ﾓﾐﾓﾐ

あかり「お姉ちゃん、ありがとうね！」

あかね「う、うん！　（……本当に愛おしいわ）」

あかり「♪」ﾆｺﾆｺ

あかね「……（言い訳じみてるけど、本当によく耐えた方よ）」ﾓﾐﾓﾐ

あかり「♪」ﾆｺﾆｺ

あかね「……（……もう、耐え切れないわ）」ﾓﾐﾓﾐ

あかね「……」ﾓﾐﾓﾐ

あかね「ねぇ、あかり」

あかり「？　なに～？」

あかね「……」ﾓﾐﾓﾐ

あかり「どうしたの～？」

あかね「お、お姉ちゃんね」ﾓﾐﾓﾐ

あかり「う、うん（……ど、どうしたんだろ？）」

あかね「……」ﾋﾟﾀｯ

あかり「……？」

あかね「……ふぅ」


あかね「大好きな人が、いるんだ」


あかり「！」

あかり「だ、大好きな人？　（こ、恋の相談……って事かな？）」ｱｾｱｾ

あかね「そう。すっごく大好きな人」

あかり「そ、そうなんだ（でも、あかりは全く経験無いからきっと相談相手になれないよぉ……）」ｱｾｱｾ

あかね「その人はね」

あかり「う、うん」

あかね「本当に素直で、優しい人なんだ」

あかり「そ、そうなんだぁ」

あかね「本当に、本当に素直で優しくてね」

あかり「す、素敵な人なんだねぇ」

あかね「それでね、すっごくすっごく可愛いのよ」

あかり「……？　（か、可愛い……？）」

あかね「うん。すっごく可愛いのよ」

あかり「そ、そっかぁ」

あかね「お姉ちゃんはね、その人を見るだけで、幸せな気分になれるんんだ」

あかり「そ、そうなんだぁ」

あかね「うん。お話するとね、心の底から癒されるんだ」

あかり「ほ、本当に大好きなんだねぇ」

あかね「うん。大好き」

あかり「……」

あかね「世界で一番。いえ、宇宙で一番」ｽｯ

あかり「……？」


ギュッ


あかね「大好き」ｷﾞｭｰｯ

あかり「！」

やったああああああああああ

あかり「っ……！」

あかね「……（これを言っちゃった以上……）」ｷﾞｭｰｯ

あかり「……（ど、どうしよう……）」ﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷ

あかね「……（……もう、終わりね）」ｷﾞｭｰｯ

あかり「……（なんとなく……なんとなく気づいてはいた事だったけど……）」

あかね「……（……もう、普通の関係性には戻れないわね）」ｷﾞｭｰｯ

あかり「……（やっぱり……お姉ちゃん……）」

あかね「……（ごめんね。絶対に心の奥底にしまったままじゃなきゃいけなかった言葉なのに……）」ｼﾞﾜｯ

あかり「……（あ、あかりの事……）」

あかね「……（お姉ちゃん、耐え切れなくなっちゃったみたいなんだ。あかりがあんまり可愛いもん）」ｸﾞｽｯ

あかり「……」

あかね「……（もうこのまま、あかりにくっついたまま、消えちゃいたい……）」ｷﾞｭｰｯ


あかり「お、お姉ちゃん」ｸﾙｯ

あかね「……！」

あかね「そ、どうしたの？」ｷﾞｭｰｯ


あかり「そ、その人と上手くいくと良いね！」ｷﾘｯ


あかね「！」

あかね「そ、その人……？」

あかり「うん、その人だよぉ。お姉ちゃん、好きな人がいるんだよね？」

あかね「そ、そうだけど……」

あかり「だから、その人と上手く行くと良いなって」

あかね「でもそれは……！　あか」
あかり「言わないで！」

あかね「！」

あかり「言わないで」

あかね「えっ……」

あかり「好きな人の名前なんか、そう簡単に口にするものじゃないよぉ」ﾆｺｯ

あかね「なっ……」

あかり「あかりはその人の事を知らない。でも、お姉ちゃんはその人の事が大好きだってのはよくわかったよぉ」

あかね「……」

あかね「あ、あかり……」

あかり「あかりにはまだ、よくわからないけどね」

あかね「……」

あかり「人を好きになるって、きっととっても楽しい事だけど」

あかね「……」

あかり「同時に……すっごく切なくて、辛い事なんだよね」ｽｯ

あかね「あ、あかり……？」

あかり「だから……」


あかり「妹であるあかりに甘えて良いよぉ」ｷﾞｭｯ

あかね「！」


あかり「辛くなったら、いつでもあかりに甘えてね。あかりは、お姉ちゃんの妹なんだから」ｷﾞｭｰｯ

あかね「あ、あかり……」

あかり「でもその好きな人の名前は、絶対に言っちゃダメだよぉ。これからもずっと」ｷﾞｭｰｯ

あかね「っ……」ｷﾞｭｯ

あかりちゃんマジ天使…切ない

あかり「……」ｷﾞｭｰｯ

あかね「……（あかり……いつの間に……）」ｸﾞｽﾝ ｸﾞｽﾝ

あかり「……お姉ちゃん、ごめんね」ｷﾞｭｰｯ

あかね「ううん　（こんなに……大人に……）」

あかり「これ以上は、あかりには……」ｸﾞｽﾝ　ｸﾞｽﾝ

あかね「充分よ」

あかり「……」

あかね「本当に、充分よ」ｷﾞｭｰｯ

あかり「……良かったよぉ」

あかね「ただ、もう一回だけ言わせてね」ｽｯ

あかり「……もう一回？」


あかね「私その人の事、やっぱり宇宙で一番大好き」ﾆｺｯ


あかり「う、うん……！」

あかり「……」ｷﾞｭｰｯ

あかね「……」ｷﾞｭｰｯ

あかり「……」ｷﾞｭｰｯ

あかね「……ふぅ」ｽｯ

あかり「……」

あかね「あかり、ありがとね」ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ

あかり「う、ううん」

あかね「慰められたわ」

あかり「ほ、本当？」

あかね「うん。でもあかりの言う通り、その人との恋の事で悩んだら、その度にこうやってあかりに慰めてもらいにくるからね」

あかり「う……うん！」

あかね「あともう一つお願いが……」

あかり「もう一つ……？」

あかね「新しいパンツ、くれないかな？」ﾆｺｯ

あかり「」





終

乙

＼ｱｯｶﾈ～ﾝ／

良い話なのにオチwww
おつおつ