折木「聞いたことはありますね」

入須「月に二度満月があることが原義だそうだ」

折木「なるほど」

入須「だが今は珍しいこと、という意味で使うようだよ」

こんな感じでどうですか！？

折木「へぇ…。先輩は物知りですね」

入須「ありがとう。嬉しいよ」

折木「…本心ですか？」

入須「さぁどうだろうね」

折木「…」

入須「…さすがに本心だ」

折木「先輩のそういうところが嫌いです…」ﾌｩ

入須「悪いね。ところで今夜は何か予定あるか？」

折木「…あります」

入須「ほう。言ってみろ」

折木「ご飯を食べます」

入須「ああ」

折木「お風呂に入ります」

入須「うん」

折木「だらだらします」

入須「…」

折木「寝ます」

入須「…それで終わりか？」

折木「それでって…酷いですね先輩」

入須「普通の反応だと思うんだが」

折木「俺は省エネ主義です」

入須「ふむ」

折木「素晴らしい予定だと思いませんか？」

入須「君は私をからかってるのか？」

折木「そんなはずないじゃないですか」

入須「ならば今日は予定なしだな」

折木「えっ…先輩？」

入須「じゃあ一旦家に帰って、すぐ来てくれ」

折木「…俺に拒否権は」

入須「ない」

夕方

折木「(9月とは言えまだ暑いな)」

折木「にしても立派な家だな…」

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

入須「はーい。って折木君か」

折木「なんですかその反応は…帰りますよ？」

入須「まあ待て、冗談だ」

折木「(この人が言うと冗談に聞こえない)」

入須「失礼だな」

折木「！？」

入須「あらかた私の悪口でも言ってたんじゃないか？」

折木「…流石です」

入須「ま、それぐらいで私は拗ねたりしないさ」

折木「ほっ」

入須「まあ立ち話もなんだし家に入ってくれ」ｶﾞﾁｬ

折木「じゃあお言葉に甘えて」

ｵｼﾞｬﾏｼﾏｰｽ

入須「まあ適当にくつろいでいてくれ。お茶でもいれてくる」

折木「わかりました」

折木 (にしても…なぜ先輩しかいないんだ？)

折木 (仕事にいってるとか…)

入須「どうした？」ﾊｲ

折木「いえ、ご両親がいないなと思いまして」

入須「ああその事か」

入須「昨日から親が旅行に行っててね」

折木「先輩は行かなかったんですか？」

入須「私は疲れるのは苦手でね」

折木「先輩…」

入須「ん？」

折木「仲間ですね」ｷﾗｷﾗ

俺×入でもいいんだぞ？

入須「君と一緒にするな…」

折木「なんだ残念ですね」

入須「それより折木君、晩御飯は？」

折木「食べてきてないですよ…すぐ来いって言ったので」

入須「それはいい。じゃあ今から作ろうと思うんだけど…」

折木「先輩が…？」

入須「なんだ不満か？」

>>25 「入須先輩」

入須「なんだ？>>25君」

>>25「俺、実は先輩のこと…！」

入須「待て、私も君に言いたいことがある」

>>25「先輩？」

入須「私も…君のことが好きだ」

>>25「先輩…」

入須「>>25君…」

ﾁｭﾝﾁｭﾝ

>>25「はっ！夢かよ…」

>>25みたいな凡人に入須先輩の気を引けるとは思えないから、やはりほうたる一択

折木「不満ではないんですけど…」

入須「料理なんてできるわけないと思っていると」

折木「まあ簡単に言えば」

入須「失礼な。料理くらいできるぞ」

折木「以外です(へぇ…)」

入須「おい本音が出てるぞ」

入須「まあ少し待っててくれ。作るから」

折木「じゃあ俺はその辺でくつろいでます」

入須「ああ」

ﾀｯﾀｯﾀｯ

折木 (ああは言ったけど)

折木 (じっとしてるのもつまらん)

折木「さて、入須先輩の部屋に行くか」

入須部屋

折木「と、来たのはいいがどうするか」

折木「おっ。これはまさか…」

>熊のヌイグルミ

折木「(先輩…)」

入須「おーい。折木くーん？」

じっとしてるのもつまらん→部屋に行くか
おい！おい！

折木 (ふぅ。今回はこの辺でやめておこう)

入須「折木くーん？」

折木「はーい！今いきます！」

ｽﾀｽﾀ

入須「まったく…どこに行ってたんだ？」

折木「ちょっとトイレに…」

入須「そんなに迷わないだろ…」

入須「まあ、冷めないうちに召し上がってくれ」

折木「ではお言葉に甘えて…」

…ｺﾞﾁｿｳｻﾏﾃﾞｼﾀ

折木「んー。美味しかった…」

入須「それはなによりだ」

折木「いや、思ったより…」

入須「思ったより…？」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

える「きな臭いのきなって何でしょう？」

折木「知らん」

える「んー！」ﾌﾟｸｰ


えるたそ可愛すぎwww

折木「いや、何でもありません」

入須「そうか。では少し縁側でくつろいでいてくれないか？」

折木「…？わかりました」

入須「洗い物をしたらすぐいくさ」

…ｶﾁｬｶﾁｬ

折木 (そういえば)

折木 (なんで今日呼ばれたんだろう)

折木 (あとで聞いてみるか)

ｽﾀｽﾀ

入須「…すまないね。待たせてしまって」

折木「いえ、だらっとしてたので」

入須「君はぶれないな…」

折木「まあ入須「省エネ主義」なもので」

折木「おお…」

入須「君のことはだいたいわかってきたよ…」

折木「…ところで先輩」

入須「なんだ？」

折木「今日はなんの用事で俺を呼んだんですか？」

入須「ふむ…特にこれといった用事があるわけではないのだがな」

折木「そうなんですか？」

入須「強いて言えば月を二人で見たいと思ったから…かな」

折木「珍しい月だからですか？」

入須「まあな」

折木「それなら千反田とでもよかったんじゃ…」

入須「まあそういう選択肢もあったな」

折木「なら…」

入須「いやなに、君のことを偶然見かけたのでね…呼んだわけだよ」

折木「白羽の矢が俺に…」

入須「何か言ったか？」

折木「いえなにも」

入須「そうか」

折木「それにしても」

入須「？」

折木「涼しくて気持ちいいですね」

入須「そうだな…それに鈴虫も鳴いて風流もある」

折木「ああ…心が安らぐ」

入須「なあ…折木君」

折木「はい？」

入須「月が綺麗だな」

折木「ブルームーン…満月ですからね」

入須「…」

折木「いや、今日はひとつ学ばせてもらいました…」

入須「折木君」

折木「なんですか？」

入須「意味わかってる？」

折木「だって満月ですよ」

入須「そうだな」

折木「綺麗じゃないですか」

入須「」

折木「それ以外に何か…」

入須「折木君」

折木「はい」

入須「君は夏目漱石を知ってるか？」

折木「馬鹿にしてますか？」

入須「いや純粋に」

折木「…知ってますよ」

入須「では月が綺麗の意訳は？」

折木「知らないですね」

入須「…はあ」

これは恥ずかしいｗｗｗｗｗ

入須「では心して聞くように」

折木「そんなに重要なことか…？」

入須「重要だ！」ﾄﾞﾝｯ

折木「うぉっ！」ﾋﾞｸｯ

入須「わ…悪い」

折木「いえ…こちらこそ」

入須「…」

折木「あの…先輩？」

入須「なんだ…」

折木「教えてくれるんですよね？」

入須「そうだが…そうなんだけど…」

折木「何か問題でも…」

入須「いや…」

入須 (いざとなったら恥ずかしい！)」

入須「あのな」

折木「はい」

入須「昔、夏目漱石が先生だったとき、生徒がI love youを我君ヲ愛スと訳したそうだ」

折木「ふむ」

入須「だか漱石はそれをやめさせて、月が綺麗ですねにしとけと言ったんだ」

折木「なるほど」

入須「…」

入須「ちなみにその返しは私、死んでもいいわと言うらしい」

折木「ほう」

入須「…え？」

折木「はい？」

入須「ここまで言っても気づかないのか？」

折木「何がですか」

入須「つまりだな！私は君のことが好きってことだよ！」

入須 (はっ…勢い余って言ってしまった！)

入須「あ…あ…」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

折木「」

折木 (まじですか。先輩まじですか)

折木 (いや確かに先輩は可愛いけど…うん)

折木 (でも苦手だしな…)

入須「///」ﾌﾟｼｭｰ

折木 (うん…でも実際、あれ以降先輩のこと目で追ってるんだよな)

折木「あの…」

入須「ひゃ…ひゃいっ！」

折木「ひゃい？」

入須「いや！…はい」

折木「意味は理解しました」

入須「…うん」

折木「正直嬉しいです」

アニメのお陰で先輩の裏返った声が完璧に再生される

入須「じゃ…じゃあ！」

折木「ただ、俺は人を好きになったことがありません」

入須「…」

折木「だからこの気持ちが好きってことなのかはわかりません」

入須「…うん」

折木「だからですね、先輩」

入須「うん？」

折木「もう一度言ってください」

入須「何をだ？」

折木「月が綺麗ですねって」

入須「なんでまた…答えは決まってるんだろう」ﾄﾞﾖｰﾝ

折木「まあまあ」

入須「はぁ…わかったよ」

入須「折木君、月が綺麗だな…」

折木「今は…」

入須「？」

折木「死にたくないですね」

入須「！」ｳﾙｳﾙ

折木「ですが…」

入須「…」




折木「そのうち死んでもいいですよ」


終わり

え？結ばれたとこで、今から体も結ばれるんじゃないのかよ

「月が綺麗ですね」ってメールを送ろうのスレを見ていりほー書こうと思いました
最後は拙い表現力で申し訳ありません
ありがとうございました

はぁ、俺も気になる子に送れたらなー

乙～
しかしいりほー多いなあ

入須先輩かわいい
入須先輩の中の人もかわいい

いりほーが順調に増えて嬉しい限りだよ