556: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:31:29.10 ID:rHC3Zm5J0
こんばんは。
絵はまだ描いている途中です、もうちょっとだけ我慢してくださいね!
それでは第12話、投下致します。
引用元:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1349003727/
557: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:31:57.47 ID:rHC3Zm5J0
午後9時。
俺は今、神山市から少し離れた所に来ていた。
話せば長くなるが……
面倒だな、話すのは今度にでもしよう。
入須「どうだ、中々に良い場所だろう」
奉太郎「そうですね」
俺と入須が居たのは、高台であった。
町並みを一望でき、キラキラと光る町の奥には海が見える。
奉太郎「入須先輩がこんな場所を知っているなんて、少し驚きです」
俺がそう言うと、入須はムッとした顔を俺に向けながら言った。
558: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:32:23.41 ID:rHC3Zm5J0
入須「ここまで連れて来たのは誰だと思っているんだ」
奉太郎「……先輩でしたね」
入須「そうとも」
入須「なら穴場の一つや二つ、押さえてあるさ」
奉太郎「それはそれは、失礼な事を言ってすいません」
入須「分かればいいんだが……」
入須はそう言い、手すりから町並みを眺める。
その時だった。
空がまばゆく光る。
遅れて……ドン、と言う音が耳に届いた。
559: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:33:15.54 ID:rHC3Zm5J0
奉太郎「始まったみたいですね」
入須「ああ、そうみたいだな」
ここに来ていたのには理由があった。
年に一度の花火大会、それを見るためにわざわざ神山市を離れ、こんな所まで来ているのだ。
最初は間隔をゆっくりと、花火達が上がっていく。
それを見ながら、入須は口を開いた。
入須「私ももう、大学生か」
入須「思えば随分と年を取ったものだ」
奉太郎「まだ、18か19でしょう」
奉太郎「年寄りみたいな台詞は、似合いませんよ」
入須「あっと言う間さ」
入須「青春なんてすぐに終わる」
560: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:33:41.51 ID:rHC3Zm5J0
奉太郎「青春、ですか」
入須「ああ」
思えば、俺も既に三年生か。
後一年も経たない内に、神山高校を去ることになるのか。
その後は……俺は一応、大学へと行く予定になっている。
里志や伊原もそうだろう。
だが、千反田は前に聞いた時、少しだけ悩んでいる様子だったのを覚えている。
また父親に何かあった時、何も知らなくていいのかと……千反田は言っていた。
もしかすると、千反田は大学には行かず、家の仕事に就くのかもしれない。
そして、それを俺に決める権利は無い。
恐らくそうなれば、段々と疎遠になって行くのだろう。
中学の時も一応、俺にも友達くらいは居た。
そいつらとは高校へ行っても遊ぼうな、等と言っていた物だが……
いざ高校生になってからは、ほとんど連絡なんて取っていなかった。
……そんな、物だろう。
561: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:34:19.36 ID:rHC3Zm5J0
奉太郎「俺ももう、18ですよ」
入須「そうか、君の誕生日は確か……」
奉太郎「四月です」
入須「なるほど、君が一番早く年を取っているのか」
奉太郎「そう言う言い方は、出来ればやめて欲しいですね」
入須「ふふ、すまんすまん」
そこで俺は一度、空を見上げた。
花火が一つ……散っていく。
そんな光景を見ながら、一つの事を思い出す。
あれは確か……俺の誕生日の日だったか。
562: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:34:55.65 ID:rHC3Zm5J0
過去
~折木家~
休みなだけあって、俺は随分と遅く、目を覚ました。
供恵「あんた、やっと起きたの?」
奉太郎「いいだろう、別に」
供恵「だらしないわねぇ」
奉太郎「休みくらいゆっくりさせてくれ」
供恵「あんたがそれを言うか」
朝から……いや、昼から姉貴との言い合いは、どうにも気が進まない。
最後の姉貴の言葉を無視すると、俺はとてもゆったりとした動作でコーヒーを淹れた。
供恵「私の分もよろしくねー」
奉太郎「……ああ」
563: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:35:22.31 ID:rHC3Zm5J0
全く、なんで起きてすぐに人の為に動かなければならないのか。
それは少し違うか、おまけで作るのだし。
まあ……どの道、気が進まない事には代わり無いのだが。
供恵「あーそういえば」
供恵「誕生日お・め・で・と・う!」
奉太郎「……どうも」
姉貴の精一杯の笑顔に俺は精一杯無愛想に返す。
供恵「確か、去年はお友達が来てたけど」
供恵「今年はどうなんだろうねぇ」
奉太郎「さあな、分からん」
去年は確かに、俺の家で誕生日を祝われた。
しかし、あれは大日向が居たからだ。
あいつが居なければ、俺の誕生日を祝おうなんて、他に誰も思わないかもしれない。
別に俺も、祝って欲しいなんて事は無いし、構わないが。
564: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:35:49.82 ID:rHC3Zm5J0
やがてコーヒーを淹れ終わり、ソファーに座る姉貴に片方を手渡す。
供恵「ありがと」
姉貴のその言葉を流し、俺もソファーに座る。
腰を下ろし、背もたれに背中を預けようとした時だった。
俺に反抗するように、家の電話が鳴り響いた。
俺はなんとも中途半端な姿勢で止まる事となり、そこで止まったが最後……電話に出る役目は俺に回ってくる。
供恵「ほらほら、友達かもしれないでしょ」
奉太郎「……くそ」
コーヒーをテーブルに置くと、俺は電話機の前に移動し、受話器を取った。
奉太郎「もしもし、折木です」
える「折木さんですか? 千反田です!」
565: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:36:15.60 ID:rHC3Zm5J0
奉太郎「千反田か、どうした」
える「えっとですね、今日は何の日かご存知ですか!?」
なんだ、やけにテンションが高いな……
奉太郎「一週間に二度ある休みの内の、一日だな」
える「そうではないです!」
える「い、いえ……確かにそうかもしれませんが」
える「違います!」
千反田が言っている事は大体分かる、俺の誕生日の事だろう。
だが自分から言うのも、少しあれなので敢えてそうは言わない。
奉太郎「じゃあ、なんの日なんだ」
える「もしかして、忘れてしまったんですか?」
える「今日は、折木さんのお誕生日ですよ!」
566: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:36:42.87 ID:rHC3Zm5J0
奉太郎「……覚えているさ」
奉太郎「それで、それがどうかしたのか」
える「お祝いをしようと思って、お電話しました」
奉太郎「ああ、そうか」
える「はい! お誕生日おめでとうございます」
奉太郎「ありがとう」
奉太郎「それで、用事は終わりか?」
える「ち、違いますよ……それだけではないです」
まだ何かあるのだろうか?
える「実はですね、誕生日会を開こうと計画していまして」
奉太郎「また、急だな」
える「そうでもないですよ、予め決めていましたので」
567: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:37:12.95 ID:rHC3Zm5J0
奉太郎「……俺は知らなかったが」
える「当たり前じゃないですか、福部さんと摩耶花さんと、秘密に計画していたんです」
奉太郎「……まあいい」
奉太郎「また俺の家でやるのか?」
える「いいえ、何度もお邪魔しては迷惑だと思いますので……」
える「今年は、私の家で開くことにしているんです」
待て待て、俺の家で開くのなんて全然迷惑じゃない。
わざわざ主役の俺を、遠い千反田の家まで足を運ばせると言うのか!
奉太郎「お前の家まで行けって事か」
える「はい!」
奉太郎「俺の誕生日を、お前の家で開く為に」
える「はい!」
奉太郎「わざわざお前の家まで、休みを堪能している俺が」
える「勿論です!」
568: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:37:42.80 ID:rHC3Zm5J0
……駄目だ、こうなってしまってはどうしようもない。
奉太郎「……分かった、行けばいいんだろ」
える「ふふ、お待ちしてますね」
える「福部さんも伊原さんも今から来るそうなので、楽しみにしておきます」
奉太郎「そうか、じゃあ準備が終わったらそのまま行く」
える「ええ、宜しくお願いします」
そして話が終わり、俺は受話器を置く。
供恵「行ってらっしゃーい」
奉太郎「……はあ」
姉貴の満面の笑みを見て、溜息を吐くと俺は準備に取り掛かった。
と言っても、大した準備等は無いが。
ともかく、俺はこうして千反田の家での誕生日会をする為、わざわざ休日に出かける事となったのだ。
569: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:38:22.33 ID:rHC3Zm5J0
~千反田家~
インターホンを鳴らすと、扉の前で待っていたのか、すぐに千反田は出てきた。
える「わざわざありがとうございます」
える「上がってください」
そう言われ、千反田の家へと上がっていく。
いつもの居間に通され、変わらぬ千反田の家でゆっくりとくつろいでいた。
奉太郎「そう言えば、里志と伊原はまだなのか?」
える「もう少しで来ると思うのですが……」
その時、インターホンが鳴り響く。
える「来た様ですね、私行ってきますね」
奉太郎「ああ」
570: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:38:53.16 ID:rHC3Zm5J0
それはそうと、千反田の家に来るのは何度目だろうか?
何回来ても、まずその広さに驚かされる。
俺の家の何個分に当たるのだろうか……
とても比べ物には、ならないか。
多分、この家の広さが……千反田という名家を表しているのかもしれない。
そんな事を考えながら、里志達がやってくるのを待っていた。
出されたお茶を飲みながら、俺は考える。
……去年、俺はあいつの事を追い掛けていたのかもしれない。
社会的にも、俺の前を行く千反田の事を。
最終的に、それは不釣合いだったのだろう。
片や、神山市には知らぬ者等居ないほどの名家のお嬢様。
片や、ただの一般人。
それは多分、いくら追いかけても追いつけないのかもしれない。
571: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:40:45.86 ID:rHC3Zm5J0
つまり、あの日……千反田がさようならと言った日。
あの日に起きた事は、起こるべくして起きたのかもしれない。
だが、だがもう少しだけ。
俺が高校を卒業するまで、追いかけてみよう。
それでも駄目なら、そこまでだったと言う事だ。
里志「お、ホータローはもう来ていたんだね」
奉太郎「……里志か」
里志「なんだい、随分と暗い顔をして」
奉太郎「いや、何でも無い」
奉太郎「それより、伊原と千反田は?」
572: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:42:21.41 ID:rHC3Zm5J0
里志「料理を持って来てくれるってさ、手作りだよ手作り!」
奉太郎「手伝いに行かなくていいのか」
里志「何言ってるんだい、僕達が行っても足手まといになるだけさ」
奉太郎「まあ、間違ってはいないが」
里志「それより、何か考え事でも?」
奉太郎「……ちょっとな」
里志「僕には何を考えている何て事は、分からないけど」
里志「あまり、思い詰めないで今を楽しもうよ」
今を楽しむ、か。
それも……悪くないかもしれない。
573: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:43:02.29 ID:rHC3Zm5J0
奉太郎「そうだな……そうする」
里志「それに今日はホータローが主役だよ」
里志「さあさあ、笑って笑って」
いや、いきなり笑えと言われてもだな……
奉太郎「……それは難しい」
里志「釣れないなぁ」
奉太郎「いつも笑顔のお前が羨ましいな」
里志「何事も、楽しまなくちゃね」
里志「じゃないと時間が勿体無い」
奉太郎「ああ……それもそうだ」
そこまで話し、俺と里志は互いに外を眺める。
そのまま数分経ち、やがて伊原と千反田が部屋へと来た。
574: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:43:32.55 ID:rHC3Zm5J0
える「お待たせしました、お料理持って来ましたよ」
摩耶花「私も作ろうと思ったんだけど……ほとんどもう作ってあった」
里志「はは、さすが千反田さん、準備がいいね」
える「い、いえ……それほどでもないです」
そして並べられる料理、それらは実に美味しそうであった。
結構な量の料理を、全員で食べ、気付けばあっと言う間に無くなってしまっている。
奉太郎「悪いな、わざわざ」
える「いいえ、いいんですよ」
える「一年に一回なのですから、このくらいはいつでもしますよ」
里志「うーん、千反田さんは間違いなく良いお嫁さんになれるよ」
える「そ、そうでしょうか」
里志「僕が言うんだ、間違い無い!」
575: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:44:00.77 ID:rHC3Zm5J0
千反田を褒めるのは結構だが……
摩耶花「私はどうなの?」
里志「ま、摩耶花は……もうちょっと、優しくなった方が」
摩耶花「それ、どういう意味よ」
里志「いやいや、今でも十分に優しいけどね」
里志「もうちょっと、なんて言うのかな」
える「つまりは、今の摩耶花さんは優しく無いと言う事でしょうか……」
里志「ち、千反田さん?」
千反田も始めの頃から比べると、随分とこう言う流れが分かってきている。
それを見るのも、また楽しい。
奉太郎「そうだな、里志の言葉からすると……千反田が言っている事で間違いは無さそうだ」
里志「ホ、ホータローまで」
摩耶花「ふくちゃん、ちょっとお話しようか」
そう言い、引き摺られながら里志は部屋の外へと出て行った。
哀れ里志、また会おう。
576: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:44:27.22 ID:rHC3Zm5J0
える「あ、そういえば」
千反田はそう俺に言い、部屋から駆け足で出て行った。
何かを思い出した様だが……何だろうか。
5分ほど待っていると、千反田は部屋へと戻ってくる。
その後ろから里志と伊原も入ってきた、どうやら話し合いは終わったらしい。
里志「……口は災いの元だ、ホータロー」
俺の隣に腰を掛けながら、里志はそう言った。
里志「ホータローも気をつけたほうがいいよ」
奉太郎「俺は災いになるような事は言わんからな」
里志「……羨ましいよ、それ」
奉太郎「お前が思った事を喋りすぎなだけだろ」
里志「ううん……今後気をつける」
ま、絶対に直らないだろうけどな。
577: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:44:54.55 ID:rHC3Zm5J0
奉太郎「それより、千反田は何か思い出した様子だったが」
奉太郎「どうしたんだ」
える「ふふ、これです!」
そう言いながら、千反田が出したのは、ぬいぐるみだった。
摩耶花「ちーちゃん、そのぬいぐるみがどうかしたの?」
える「私の宝物なんです!」
里志「へえ、随分と可愛いぬいぐるみだね」
える「そうですよね、私もそう思います」
……ここまで、千反田が考え無しに動くのは想定外だった。
つまり、千反田が持ってきたぬいぐるみと言うのは、以前俺がプレゼントした物。
それを里志や伊原には、絶対に知られたく無かったのだ。
奉太郎「ほ、ほう。 千反田らしいな」
冷や汗を掻きながら、俺は続ける。
578: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:45:22.00 ID:rHC3Zm5J0
奉太郎「それにしても、そんなぬいぐるみをまだ持っているとはな」
摩耶花「ええ、いいと思うけどなぁ」
える「で、でもですよ」
える「このぬいぐるみをくれたのは……」
俺は多分、今日一番素早い動きをしたと思う。
千反田の首に腕を回し、そのまま引っ張る。
里志や伊原は不審がっていたが、このままではどうせばれてしまう。
ならこれしかないだろう。
える「あ、あの、どうしたんですか」
奉太郎「言うなって言ったのを覚えて無いのか」
える「お、覚えていますが」
奉太郎「なら何で言おうとした……!」
える「それは、その」
える「……自慢したくて」
579: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:45:51.20 ID:rHC3Zm5J0
奉太郎「そんなの、いくらでも俺に自慢すればいいから、とにかく今は絶対に言うな」
える「は、はい……」
そこまで話、千反田を解放する。
摩耶花「ちょっと、二人で何話してたの?」
里志「気になるねぇ」
奉太郎「……何でも無い」
俺はそう言い、二人の視線を正面から受け止める。
俺から聞き出すのは無理と悟ったのか、里志達は千反田の方に視線を向けていた。
える「あ、えっと……」
える「その……」
える「言わなくては、駄目ですか」
摩耶花「駄目って訳じゃないけど、気になるかな」
える「わ、分かりました」
580: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:46:18.29 ID:rHC3Zm5J0
……いくら何でも、何か別の言い訳をするだろう。
つい、30秒ほど前に言うなと言ったばかりなのだから、流石に言わない筈だ。
える「あのですね」
える「……折木さんが、ぬいぐるみを貸して欲しいと」
……帰りたい。
千反田は確かに、本当の所は言わなかった。
言わなかったのだが……もっと他に言い訳はあるだろうが!
摩耶花「お、折木が?」
里志「あ、あははは、本当かい、ホータロー」
くそ、こうなってしまっては千反田の言い訳に乗るしかないではないか。
全く持って納得行かないが、仕方あるまい。
581: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:46:44.97 ID:rHC3Zm5J0
奉太郎「別に、いいだろ」
里志「まさか、あはは」
里志「ホータローにそんな趣味があったなんてね」
摩耶花「……気持ちわる」
伊原の言葉がいつにも増して、辛い。
だが、それでもやはり……本当の事を言う気にはなれなかった。
俺があの日……わざわざ帰るのを放棄し、千反田のプレゼントを買いに行ったのを知られたく無かったのは勿論の事。
……千反田が宝物と言っていたそれを、俺がプレゼントした物だと言う事は、何故か人に知られたくは無かったのだ。
える「も、もうこの話は終わりにしましょう!」
里志「そ、そうだね」
里志「どんな趣味を持とうと、僕はホータローの友達だよ」
里志の何とも言えない表情が、やはり辛い。
582: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:47:11.23 ID:rHC3Zm5J0
奉太郎「それよりだ」
千反田が一度、話題を切ってくれたお陰で、話の方向を変える事が出来た。
奉太郎「今日は俺の誕生日だろ、何か言う事とか無いのか」
里志「お、ホータローにしては随分と急かすね」
奉太郎「……まだしっかりと言われていないからな」
摩耶花「うーん、まあいっか」
える「そうですね、では」
里志「僕はもうちょっと、タイミングを見たかったんだけどなぁ」
583: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:47:38.90 ID:rHC3Zm5J0
三人はそう言うと、徐にカバンに手を伸ばす。
そして。
里志・える・摩耶花「誕生日おめでとう!」
その言葉と共に、クラッカーの音が鳴り響いた。
ああ……また片付けが面倒な事になりそうだ。
まあ、それでも……今日くらい、別にいいか。
何と言っても一年に一度の、日なのだから。
第12話
おわり
584: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 22:48:07.13 ID:rHC3Zm5J0
以上で第12話、終わりとなります。
乙ありがとうございました。
585: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/19(金) 22:51:23.90 ID:9UcjQLmso
おつー
590: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東日本) 2012/10/19(金) 23:50:14.74 ID:jZQyqmqR0
乙です。
第2章ですね。誕生日ですね。ほうたるも思うところはあるようで、どう変化するか、それとも変わらないのか楽しみです。
587: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/19(金) 23:31:50.62 ID:xnTUGpuv0
絵の方は私、気になりません
とりあえず乙!
588: ◆Oe72InN3/k 2012/10/19(金) 23:44:46.46 ID:rHC3Zm5J0
589: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/10/19(金) 23:48:44.76 ID:CnjdDym80
怪物に追われる怪物にしか見えない
592: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/10/20(土) 00:05:01.76 ID:bGzvFEpj0
絵がへt…個性的な人って必ずといっていいほどしっかり指を描く気がする
598: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(中部地方) 2012/10/20(土) 01:48:43.93 ID:fKWxFH7Qo
こ、これはまた…うん
とにかく乙
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- 2012/10/20(土) 21:47:17|
- 氷菓
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